移民の詩 ~北海道移住者の毎日~
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自治会もPTAも大事な人付き合い

 都市部の自治会やPTAは、参加率が非常に低いです。ですが、僕の住んでいる地区の自治会は、何かあると地区のかなりの人たちが参加します。30世帯そこそこしかないですから・・・そうすると、いろんな役割が毎年のように回ってきます。

 移住してきた翌年に、いきなり班長になってしまいました。住居の並び順なので、たまたまそういうタイミングに遭ってしまったのです。仕事は様々。回覧配りや募金の集金は当然ですが、PTAの会計監査を兼ねていたり、入植記念碑(道内には結構あるようです)の草刈に人を集めたり、結構忙しいものです。

 うちのあたりでは、年に1回「契約会」というものを開きます。そこで年間の自治会費・PTA会費と神社・馬頭観音の氏子会費を一気に集めます。その召集と集金も班長が中心になってやりますから、結構な責任を負うことになります。

 PTAはもっと大変で、全校生徒11人の上に、来年は教職員の子供を除いた父兄の家はたった3件。つまり、会長・副会長・会計がそれだけで埋まるのです。

 農家の場合はもっと忙しいかもしれません。農事の作物別部会なんかもあり、いくつも掛け持ちしていることも少なくありません。

 そういう所へ飛び込んでいくのは、結構勇気がいりますよ。だから、人付き合いが大事です。それができれば、田舎暮らしは大丈夫だと思います。

パン・ド・カンパーニュ

 僕のやっているパン屋は宅配がメインなので、店と言うものはとりあえず持っていません。ですが、近所の方や通りすがりの方が「なんかなーい?」と言って来るので、厨房の入り口に販売スペースを置いています。ただ、完全包装でなければ売ってはいけない営業許可条件なので、普通のパン屋のように裸で置いてはいません。

 で、中には「こんなのは作らないの?」と、リクエストをくれるお客さんもいて、そのおかげでバゲットやクロワッサンなんかも焼くようになりました。

 今日は「パン・ド・カンパーニュ」の試作を昼間にやってました。普通なら生イーストを使用するのですが、うちは「白神こだま酵母」というものを使い始めたので、それにあわせて国産小麦で作っているのです。
 まあまあの出来ではあったのですが、ちょっと火力が強かったようで、色が濃くなってしまいました。というのも、糖分の多い酵母なので、焼色調整が結構難しいのです。

 「パン・ド・カンパーニュ」と言うと、天然酵母を使うイメージがあるのですが、本家本元のフランスでは、その傾向が低くなっているらしいと言うことを聞きました。
 酸っぱい味と香りが敬遠されているそうで、より食べやすくと言うことで、発酵種をイーストを使って仕込み、本生地もドライイーストなのだそうです。

 社会も成熟すると、より易い方向へ向くんですね。
 ただ、日本人は「原理主義的」な部分があって、天然酵母至上主義みたいな人がいるのも確かです。また、本場至上主義というべき部分もあるかな?

 僕はあくまで、「郷に入れば郷に従え」ですが・・・

移住する 仕事のこと①

 人によって差はありますが、移住に関する一番のポイントは「仕事」だと思います。

 内地(北海道では本州・四国・九州のことをこのように言います)から北海道へ移住しようと思う人は、大抵は札幌などの大都市ではなく、広い大地と自然環境にあこがれて農村と呼ばれるところへ行こうと思う傾向が強いですが、そういうところに「仕事」はありません。農家を手伝うと言えば聞こえはいいですが、雇う方の傾向として「手の慣れている決まった人」に頼む傾向が強いことを知っておくべきでしょう。

 農業を目指す人は、新規就農説明会などで十分に情報を得てから移住を考えても、決して遅くは無いと思います。(僕はこれを無視して失敗しました。その辺の経緯は後日お話します)

 また、自分が何を作るのかを決めてからでないと、移住先は決まらないと思ってください。地域によって作られているものが違うので、自分勝手に決めた作付けは周囲の理解と協力は得られません。

 さらに、新規就農の場合、かなり具体的に営農計画を持っておかないと、収納支援資金の活用などの面で不利になると思ってください。見た目には、道および各自治体は新規就農者への支援を幅広く行っているように見えますが、実際は相当高いハードルで、本気度を試しているようです。

 サラリーを貰おうと思ったら、迷わず札幌に住んでください。地方都市では、内地と同じ仕事はまずありません。職安に行っても、同じ事を言われるだけです。 地方都市の市街地であれば、飲食店なり販売店なりの自営で仕事をするのが手っ取り早いです。もちろん経営者としての資質と技術が必要ですが。

 どうしても郊外の農村に住むのであれば、真剣にSOHOを考えてください。少なくとも、今までやっていたこととほぼ同じことが出来ると思います。

 そして、一応の逃げ道は必要です。
 僕の場合、就農が叶わなかった場合は、宅配パン屋をやろうと決めていました。そのためには、いろいろ本業以外の技術も持っていたほうがいいのです。ですから、そういう場合の最低限の資金は確保して置いた方がいいと思います。

 北海道は、沖縄と並んで就労状況の悪いところです。それでも住みたくなるのが、この場所なのですが・・・

経験則としての観天望気

 このところ日本海側(札幌や小樽)では大雪です。ここ(噴火湾沿いの虻田町)ではすっきりした青空が広がって、今朝は沈む満月が見えておりました。
 北海道へ来て1度冬を越すと、それなりに天候変化のパターンが見えてきます。観天望気の観点からは、さすがに古くから住んでいる方々にはかないませんが、そういう方に教えていただくと実に適切なアドバイスを頂けます。

 僕の住んでいる所は、海沿いの町とはいえ高台の標高240mくらいあります。羊締山が迫ってくるように見えるので、当然ながら天気の判断はこの山を基準に考えます。農家になりたくてこの町に来たとき、真っ先に教わったのが、「羊締山に雲がかかったら、翌日は雨」でした。科学的に見れば、雲が笠のように山にかかれば上空の気流が速く、天候変化の兆しと判断できます。でも、農家の人々にとってはあくまでも知識の蓄積であり、実のところこれに勝るものは無いのではないかと言うくらい、よく当たります。

 ただ、これも基準が様々で、いろいろな方と付き合っているうちに、違った見方もあると言うことを知ります。
 「山が迫ってくるほど近く見えるときは、どんなに晴れていても翌日は荒天」と言う人もいれば・・・
 「山瀬が吹かなければ、山に雲がかかっても雨は降らない」とか・・・
混乱するばかり。

 結局は自分で経験を積むしかないのです。

 季節限定ですが、近くに洞爺湖があり、5月頃から10月いっぱい位まで毎晩湖上で花火大会が行われ、山を越えてその音が聞こえると翌日は雨が降ります。
 もちろん今は冬ですから、花火は上がりません。
 で、いい加減ですが・・・2日雪が降らなければ翌日は雪、「二雪二晴」という風に、アバウトに天気の見当をつけています。昨日は大雪。今日は快晴なので、明日は午前中は持ちこたえるけれど午後は雪のような気がします。ただ、雨と違って雪の場合は、かなり遠くから飛んでくるので、こちらが快晴でも北方向が曇っていれば、前が見えないくらい雪が降ることもあるので油断は出来ません。今日は風向きが北向きなので、夜半にはまた雪が降るかもしれません。

 雪が降って前が見にくいと、うちにパンを買いに来る人も少ないので、仕込み量を少なくしなければなりません。うちのあたりは後志(しりべし)と胆振(いぶり)という支庁の境目に近いので、支庁ごとに出される天気予報もあまりあてになりません。ある程度の観天望気も会得しておかないと、損をします。

移民の詩 ~北海道移住者の毎日~

 埼玉から北海道の農村に移住して、パンを焼きながら暮らしています。
 ここにきてわかった農村・自治体・人々の真実は、実に喜怒哀楽に満ちたもの。そして、愚痴をこぼしながらも楽しく前向きに生きている人たちがいます。
 北海道への移住は「ずいぶん思い切ったことをするものだ」と言われたものですが、いざ住み着いてみれば道外出身者の実に多いことに驚かされます。つまりは寄り合い所帯なんですね。でも、住んでしまえばみな道民。それぞれの都合希望で来た人たちばかり。そういう人々が助け合って生活しているのが北海道なのです。
 そんななかに飛び込んでいった僕の毎日を、生活・仕事・移住の経験談などを交えて書いていきたいと思います。