今日から3回に渡って





思春期の子供の体の成長と

脳の発達のアンバランスさ 




について 書きたいと思います。





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私は思春期専門の医師ではないため、


思春期の子どもの『不定愁訴』について

専門に研究していた小児科医

故・北島晴夫先生のインタビュー記事を

今年の夏、国会図書館から取り寄せました。





そこに書かれていた事は

初めて触れる内容で


何故こんな大事な情報に今まで

アクセス出来ずにいたんだろうと、

とてもショックでした。。




もっと早く知りたかった。。。



この様な正しい知識や情報に

あの頃

もし辿り着けていたら、、、、



自分自身が経験した壮絶な思春期の子育てに

とても役に立ったのに。



そう思えるような記事でした。




なので

どうしてもこのブログでシェアしたくて

慎重に準備をしてきました。








北島先生のインタビュー記事を抜粋し、

ご紹介させていただきます。









引用元

MedicalASAHI メディカル朝日

2004年 8月号 P.14-17

インタビュー 思春期の子供の体にもっと理解を/「あいあいキッズクリニック」北島 晴夫

(国会図書館 関西館より

データベース資料遠隔複写にて入手)




思春期というと、

すぐに心の問題と言われるが、



ココロ、 ココロ と言う前に、

体の問題について、

正しい知識を子供達にもっと伝えたい。



ご両親や学校の先生にも、

思春期の子供の体を理解してほしい。



思春期と言うのは

10歳〜12歳頃が前期思春期



アイデンティティー(自己の同一性) 

に目覚める18歳くらいまでが

後期思春期です。





肉体的には成長したけれど

脳の成長はまだ完成していない時期です。





思春期の一番の特徴は

体が目覚めていないということ。





体がいつも半分眠った状態になっているんです。






大人になると

昼間活動する為の交感神経と、

夜眠る為の副交感神経が

バランスよく働きます。



しかし、



成長期には骨は成長しますが、

周りの血管や神経、筋肉は

引き伸ばされているだけで骨の働きに追いついていない。



また、 体格が大きくなり

循環する血液量が増える割に、


心臓が十分に適応出来ないなど、




成長そのものがストレスになって、

自律神経のバランスが崩れてしまう。



つまり、


脳が🧠「もっと寝ていろ」

と指令を出している状態


なのです。





特に女子は身ごもる体勢が整い始めますが、妊娠出産にはまだ準備不足なので、



あまり活発に行動しないように

「寝ていなさい」という命令が脳から🧠下る。





そんな体なのに親からは

「早く起きなさい」と言われ、

子供たちは、起きる気力をなくします。



また、



外からのいろいろなストレスに対して

副交感神経が緊張しますので


脳は🧠体を休ませ、眠らせる方向に働きます。


だからますます眠くなる。




要するに思春期の体は、

脳によって、あまり動いてほしくない、

朝は目覚めて欲しくないという状態に置かれている


のです。







目覚めが悪く遅刻してしまう子には、



「あなたが起きられないのは、意志が弱いからじゃなくて、



体がそうなっているから。




部活の朝練で頑張れる子もいる。

けど、個人差があるから、


起きられなくてもいいんだよ、

自分を責める必要は全く無いんだよ」


と本人に話してあげる。



それだけで、翌朝からすっかり元気になる子もいます。




少し時間をかけて、

身体の状態を本人に説明することも、

有効な治療法なのです。













だるい、授業に集中出来ない、頭が痛い、疲れる、起きられないという

不定愁訴は、



学校に行けていると


親も学校の先生も医師も


大きな問題として見てくれない。



不登校や摂食障害になって初めて

「心のケアが必要だ」

「もっと詳しく調べたほうがいい」

となる。



不定愁訴を抱えながら、

症状が軽いために放置され、

我慢している子供たちがたくさんいます。



軽い不定愁訴にも治療法がある事を知ってもらいたいですね。










これは、

2004年のインタビュー記事です。 

 


既に 18年も前から、思春期専門の先生が

この様にインタビューでおっしゃっているにもかかわらず、




残念ながら、


令和4年現在


学校、社会、家庭で



思春期の子供達の体に関する理解が

深まっているようには感じられません。







子供達のやる気を引き出す

勇気付けの言葉がけ、

親の関わり方 などの 


家族間コミュニケーションに関する役立つ情報は

沢山見受けられる様になりましたが




子供達の体の成長そのものが

思春期の子供にとって

大きなストレスになっている事。。




我々大人たちが

ココを理解しないままだと危険なのでは?と


私は考えます。



   

親子間コミュニケーションで

いくら子供が前向きになれたとしても




体は依然として辛いままだとしたら??





体の成長自体がストレスで有るが故、 


思春期の子供の体は

脳が🧠

眠れ。休め。と、いつも指令を出している状態。。



にもかかわらず、


とりあえずの前向き思考で無理を重ねて

頑張り続けなければならないわけです。。






不登校や引きこもり状態にある

思春期の子供たちの最新の人数は

文部科学省の調査によると

23万9千人 24万人(過去最多)


との事ですが




不登校や引きこもりの状態というのは

子供達にとって

とても深刻な身体と心の状態である事が



このインタビュー記事から

ご理解いただけたかと思います。









思春期に見られる病気

思春期の心の状態について


更にインタビューは続きますので

第2、第3のブログでご紹介します。


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