祖母は大正生まれで、生きていたらもう90歳くらい。

生まれは山口、育ちは熊本。


子どもの頃に父親を亡くし、10代後半に母親も病死。

女学校を卒業後、仕事を求め東京へ。


祖父と出会ったのはこの頃。

若き祖母は同じく若き祖父の家に電話を借りに行く。

それが二人の出会い。

当時、祖父の家はそこそこ名家で、身寄りのない祖母との結婚を周囲は反対したらしい。

結局、祖母の死んだ父親が医者だったとわかり、結婚を許されたとか。


結婚後、戦争が始まり、祖父は満州へ。

祖母は妊娠中だった。


後になって、戦争中配給されたパンがおいしかったと語っていた。

祖母はパンが大好きだった。


満州から戻ってきた祖父と祖母の暮らしは平穏だったと思う。

日本が高度経済成長を歩む中、三人の娘を育てた。

祖父は雀荘経営、マッサージ師、不動産関係・・・、いろんな仕事を転々とした。

祖母はずっと専業主婦。


祖父が死んだ後、祖母の人生は一転する。