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前回の続きで腎臓の人工透析のお話。
今回で腎臓シリーズは最終回です。
この前は透析治療が患者さんに大きな負担をかけるというお話をしました。
しかし、透析治療が負担をかけるのは患者さんだけではありません。
透析はものすごく医療費がかかる医療です。
その額は、なんと一人当たり年間で600万円以上にも上ります。
現在我が国で透析治療にかかっている医療費は全部足すと年間2兆円弱。
では透析の患者さんはこれほどの莫大な医療費を払って透析を受けているのでしょうか。
実はそうではありません。日本では透析治療の患者負担は0円で一切費用を負担しなくてもよいシステムになっています。
これは世界を見渡しても日本だけだそうです。
外国では透析治療は金持ちしか受けられない医療なのです。
しかし、日本では腎臓が機能しなくなっても一円も払わずに透析治療を受けることができるのです。
これは本当に素晴らしいシステムだとは思うのですが、その一方で、別の角度から見ると問題もあります。
それは、安易な透析導入です。
そもそも今の日本で透析導入の原因の1位で、約50%をも占めているのが「糖尿病」です。
糖尿病というのは、ほぼすべてのケースにおいて生活習慣が原因になっているので、本人の心がけや生活習慣を改善することで腎臓を悪くすることを防げたケースがほとんどなのです。
つまり、患者さん自身にも問題があることが往々にしてあるのです。
「いいんだ、オレは。めんどっちい食事療法なんてやるぐらいなら好きなもんを好きだけ食って飲んで、太く短く生きるんだい」
栄養指導をしているとたまにこういう患者さんに出くわします。
ある意味で潔い価値観だとは思いますが、いざ腎臓がやられた時は国の税金に頼って透析療法で生き延びるというのは何かおかしい感じがしてしまうのは私だけでしょうか。
もちろん、透析を受けてらっしゃる患者さんの中には不可抗力で腎臓を傷めてしまった方もいますので、すべてを十把一絡げに論じることはできません。この点は誤解のないようにきっちり主張しておきたいと思います。
しかし、そういったケースを別にするとこのシステムには問題があるのも事実です。
透析療法というのは一度始めると、死ぬまで必ずずっとやり続けることになるので、病院にとって大きな継続的な利益になります。
まあようするにめっちゃ儲かるわけです。
と言ってももちろん、まさか病院が透析で儲けようなどとは考えていないと思いますが、事実としてお金がじゃぶじゃぶ流れ込んでくるということはあります。
また、透析を行う機会や透析をする際に毎回新しく使用する透析液を製造しているメーカーも利益になります。
透析を受ける側の患者は一切費用がかからない。
透析を提供する病院、機器等を提供しているメーカーは利益になる。
患者さんに優しいシステムも見方を変えると安易に透析を始めてしまう一助になっている可能性もあるのです。
もちろん健康を保てないぐらいまで腎臓が悪くなると絶対的に透析が必要になるので、透析自体が悪いのではなくて、本当に透析が必要な状態なのかどうかの見極めがとても大切になってきます。
透析患者は年々確実にその数を増やしています。
原因の半数を占める糖尿病が急激に増加しているので、これは必然の結果です。これからも間違いなく増え続けます。
これまで何回か腎臓と透析について書いてきましたが、やはり元を正すとそのほとんどが生活習慣病にいきつくのです。
そして生活習慣病を防ぐ上で最重要なのが、日々の食生活、です。
食習慣は習慣なので、まだ若くても今のうちからきちんとした習慣をつけておくことが将来困らないために絶対必要です。
『透析』という一つの医療をとってみても今の日本人の健康に関する問題がいろいろと浮かび上がってきます。
このブログを読んでいただいているみなさんはぜひいろんな情報に興味を持ってフードリテラシーを高めていきましょう。
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