ここ最近、色んな国を行ったり来たりしている。10月はタイ、ミャンマーに3週間滞在し、11月は3週間の日本滞在、そしてフィリピンに戻った。と思ったら4日間しか滞在せず、再び日本に帰国した。
今年は本当によく飛行機に乗った。おかげさまでフィリピンに滞在した期間は半年ぐらいになってしまった。フィリピン在住の日本人たちからは「水谷はもうフィリピンに住んでいない」と思われているかもしれないが、私はまだフィリピンに住んでいる。
パスポートもスタンプだらけで、すごいことになっている。各空港の出入国審査ブースではいつも、入管職員が出入国記録を探すのに何度もページをめくらなければならない。それぐらいスタンプだらけなのである。つまり、どこが最後の記録なのか分かりずらいのだ。
かっこよく言えば「アジアを飛び回っている」ということなのだろうが、本音のところは取材と原稿の〆切りに追われているだけである。
そして今は取材で渋谷や新宿辺りに出没している。取材がなかったら渋谷に来ることもないだろう。学生の時ですら縁がなかった街だ。
そういえば、こないだ実家で懐かしい写真を見つけた。
一番左端のバンダナを巻いているのが私だが、ここはエジプト、ギザの砂漠にあるピラミッドの頂上である。大学5年生(2浪して1年ダブったのでこの時24歳)の夏のことだ。
最近、エジプトを旅行した友人から頼まれて学生の頃のアルバムを引っ張り出した。当時はまだネガの時代で、今も写真はきちんとアルバムに整理されている。
私が写っているピラミッドの頂上は地上150メートルぐらい。そもそもなんでこんなところにいるのかというと、旅先で知り合ったバックパッカー仲間たちと「登りに行こう」という話になってしまったからだ。
決行したのは夜中の3時。タクシーの運転手に不審がられながらも「ピラミッドに行ってくれ」と頼み、夜のカイロを飛ばしてもらった。住宅街のような裏通りをくぐり抜けて砂漠に出ると、スフィンクスが月明かりに照らされ、神秘的な様相を醸し出していた。警備員がいるとの情報があったので、私たち5人のうちの1人を隊長に決め、まず隊長がある程度の地点まで砂漠を駆け抜け、警備員に見つからなければ残りの4人も走って追い掛けるという方法で、ピラミッドとの距離を徐々に縮めていった。
地上150メートルは遠目にみてもかなり高い。ピラミッドの一段は腰ぐらいの高さで、そこに両手を付いて一段ずつ登っていくのである。女子学生が2人いて、彼女たちが登れないほど段差がある時は、私たちが先に登って彼女たちの手を引っ張った。安全帯も何もないから落ちたら即死である。そうして地道に一段ずつ登り、頂上にたどり着くまでに1時間半ほどかかった。
写真はこの登り切った時に記念撮影したものだ。この後、私1人だけがピラミッドの頂上で半ケツになり、不謹慎だと分かってはいたが記念撮影した。残念ながらその写真はぶれているので、ここではアップしない。
間もなく朝日が昇り始め、周囲360度の方向から流れるコーランを聞きながら、眼前に広がる幻想的な朝靄に身も心も溶けそうになった。
今年は本当によく飛行機に乗った。おかげさまでフィリピンに滞在した期間は半年ぐらいになってしまった。フィリピン在住の日本人たちからは「水谷はもうフィリピンに住んでいない」と思われているかもしれないが、私はまだフィリピンに住んでいる。
パスポートもスタンプだらけで、すごいことになっている。各空港の出入国審査ブースではいつも、入管職員が出入国記録を探すのに何度もページをめくらなければならない。それぐらいスタンプだらけなのである。つまり、どこが最後の記録なのか分かりずらいのだ。
かっこよく言えば「アジアを飛び回っている」ということなのだろうが、本音のところは取材と原稿の〆切りに追われているだけである。
そして今は取材で渋谷や新宿辺りに出没している。取材がなかったら渋谷に来ることもないだろう。学生の時ですら縁がなかった街だ。
そういえば、こないだ実家で懐かしい写真を見つけた。
一番左端のバンダナを巻いているのが私だが、ここはエジプト、ギザの砂漠にあるピラミッドの頂上である。大学5年生(2浪して1年ダブったのでこの時24歳)の夏のことだ。
最近、エジプトを旅行した友人から頼まれて学生の頃のアルバムを引っ張り出した。当時はまだネガの時代で、今も写真はきちんとアルバムに整理されている。
私が写っているピラミッドの頂上は地上150メートルぐらい。そもそもなんでこんなところにいるのかというと、旅先で知り合ったバックパッカー仲間たちと「登りに行こう」という話になってしまったからだ。
決行したのは夜中の3時。タクシーの運転手に不審がられながらも「ピラミッドに行ってくれ」と頼み、夜のカイロを飛ばしてもらった。住宅街のような裏通りをくぐり抜けて砂漠に出ると、スフィンクスが月明かりに照らされ、神秘的な様相を醸し出していた。警備員がいるとの情報があったので、私たち5人のうちの1人を隊長に決め、まず隊長がある程度の地点まで砂漠を駆け抜け、警備員に見つからなければ残りの4人も走って追い掛けるという方法で、ピラミッドとの距離を徐々に縮めていった。
地上150メートルは遠目にみてもかなり高い。ピラミッドの一段は腰ぐらいの高さで、そこに両手を付いて一段ずつ登っていくのである。女子学生が2人いて、彼女たちが登れないほど段差がある時は、私たちが先に登って彼女たちの手を引っ張った。安全帯も何もないから落ちたら即死である。そうして地道に一段ずつ登り、頂上にたどり着くまでに1時間半ほどかかった。
写真はこの登り切った時に記念撮影したものだ。この後、私1人だけがピラミッドの頂上で半ケツになり、不謹慎だと分かってはいたが記念撮影した。残念ながらその写真はぶれているので、ここではアップしない。
間もなく朝日が昇り始め、周囲360度の方向から流れるコーランを聞きながら、眼前に広がる幻想的な朝靄に身も心も溶けそうになった。