ドタバタ国際結婚日記。その14.その13からの続き | 水谷孝のブログ「つれづれなるままに」

おはようございます!

 

今回も「ドタバタ国際結婚日記」を読んでくださりありがとうございます。

心よりお礼を申し上げます。

 

今回は前回からの続きです、、、

 

まず最初に、僕が考えた「逆オーバーブッキング」とは一体どういうものなのか具体的にご説明いたします。

 

前回お話ししましたように、ホテルというのは、どこのホテルでも当日のキャンセルを見越して、実際の客室数よりも、2、3人多目に予約を取るようにしていて、これを「オーバーブッキング」と呼んでいるのですが、僕が考えたアイデアは、「オーバーブッキング」とは逆に毎日300室全部予約で一杯にしてしまうのではなく、299室分だけ予約を取って、毎日必ずひと部屋だけヤクザ対策のために空室にしておく、というアイデアでした。

 

 

僕の考えを支配人とキャプテンの○本さんに話したところ、2人の頭には「逆オーバーブッキング」の発想など全くありませんでしたから、2人共驚いてしまったのです。

 

支配人は僕の説明を聞く前に怒ってしまったのです。

 

支配人「何たわけたこと言ってるんだ。毎日ひと部屋だけヤクザのために空けておけだと!? バカも休み休み言え!!!!!毎日300室満室にするのは至上命令だ!!!!!大体どうしてヤクザなんかのためにそこまでしなくちゃいけないんだ!? お前は一体何を考えているんだ!?」
 

 

僕の話をちゃんと聞きもしないで怒った支配人に対して、僕も怒って怒鳴ってしまったのでした。(笑)

 

僕「支配人、僕の説明を良く聞いてください!!今日まで夜勤を何回か経験して、僕なりに気がついたことがあるんです!!それは毎日必ず夜中の12時過ぎに、最終電車を失くした会員(オーナー)が1人か2人「部屋は空いていませんか?」と電話してくることがわかりました。そこで僕が考えたことは、毎日ヤクザ対策のために、夜中の12時までひと部屋だけ空に

して、ヤクザ会員(オーナー)には「毎日夜中の12時までに予約の電話をもらえれば、必ず部屋を用意出来ます」と言えば、○山さんだけでなく、全てのヤクザ会員(オーナー)が文句を言わないはずです。仮に当日ヤクザ会員(オーナー)が予約して来なくても、必ず夜中の12時を過ぎた段階で、終電車に間に合わなかった会員(オーナー)が、1人か2人は部屋を取りたい、と電話してきますから、絶対に最終的に300室全て売り切ることが出来ます。ですから心配しなくて大丈夫です。これしか解決策はないと思います!!」

 

と説明したところで、キャプテンの○本さんは、さすが現場の人間ですから、僕のアイデアは使えそうだ、と思って支持してくれたのでした。

 

しかし支配人は頑として僕の考えに反対で、、、

 

支配人「ダメだダメだ!!!!!最初からオーバーブッキングさせて300室満室にしておく方が確実に決まっているだろう。お前の言うように、ヤクザのためにひと部屋だけ空けておいて、もしも12時過ぎても誰も電話してこなかったらどうするんだ!? ひと部屋だけ売れ残ってしまうんだぞ!!そんなこと本社に報告出来るか!!!お前の考えは絶対にダメだ!!!!!」

 

の一点張りなので、「どうしたらこのぼんくら支配人を納得させられるのか?」と考えて、最終的に僕が考えた最後の手段は、、、

 

僕「わかりました!!!!!。もしひと部屋だけ売れ残ってしまったら、その時は売れ残ったその部屋を僕が自腹を切って買います!!!!!僕の自腹でゲスト料金の2,500円を払いますよ!!。それで帳簿上を満室にすればいいじゃないですか!!!!!それなら文句はないでしょう!!!!!僕の考え以外にヤクザを納得させて、しかも毎日満室にするなんて方法は絶対にないですよ!!!!!あったら聞かせてくださいよ!!!!!」

 

と言って、カンカンに怒る支配人に、万が一ひと部屋だけ売れ残った時は、僕が自腹で2,500円を払ってその残った部屋を買う、と啖呵を切ったところで、支配人は渋々僕の考えを受け入れたのでした。

 

ついに僕の画期的な「逆オーバーブッキング」のアイデアは、晴れて試験的にではありましたが、実行してみようということになったのでした。

 

早速僕は喜び勇んでヤクザ会員(オーナー)の○山さんに電話をしました、、、

 

僕「○山様でいらっしゃいますか? 私「東京○○ホテル」の水谷と申しますが、今朝ほどは大変失礼いたしました。明日から○山様がいつでもお部屋がお取りになれますよう善処させていただきましたのでどうかご安心ください。ただ私の方から一つだけお願いがございます。今後ご予約をされます際には、遅くとも夜中の12時までにお電話いただけますでしょうか?12時までにお電話をいただければ、必ずお部屋をご用意させていただきます。私が責任を持ってお約束いたします。それでよろしいでしょうか?」

 

ヤクザの○山さん「本当に12時までに予約したらいつでも部屋は取れるのか!?嘘じゃないだろうな!?」

 

僕「嘘ではありません。私の首を賭けてお約束いたします」(ヤクザはこういう表現を好むのです、、、笑)

 

ヤクザの○山さん「よしわかった。あんたを信じよう。俺の方も予約の電話は12時までにすることは約束する。12時過ぎたら満室と断られても文句は言わないよ。それでいいか?」

 

僕「ハイ、もちろんよろしゅうございます。ありがとうございます」

 

と言って、ヤクザ問題は無事に一件落着したのでした。

 

僕の予想通り、毎日必ず夜中の12時を過ぎると、最終電車に乗り遅れた会員(オーナー)が、1人か2人は電話をしてきたので、毎日12時までヤクザ対策のために空けておいたひと部屋は、12時を過ぎてから必ず売れたので、僕が支配人に言った通り毎日の満室状態はキープ出来たのでした。(けっきょく僕が自腹で部屋を買ったことは、退職するまでの5年間一度もありませんでした、、、)

 

僕が発案した(実際は僕ではなく直感の発案でしたが、、、笑)、「逆オーバーブッキング」のおかげで、ヤクザ会員(オーナー)とのトラブルは、それ以降一切なくなったので、僕のアイデアは社内でも高評価されることになったのでした。

 

特にヤクザに怯えていた支配人と予約係がとても喜びました。(中でも支配人が一番喜んだのです。笑)

 

ヤクザの○山さんは、僕に約束した通り、その時以来必ず12時までには予約電話をしてきてくれたので、必ず部屋が取れたため、以来僕のことをとても信頼してくれるようになったのでした。(その時から僕はまるでヤクザ御用達のフロントマンのようになってしまったのでした、、、笑)

 

この一件以来、社内での僕を見る目がさらに大きく変わり、それまで「こいつはとんでもないヤツだ。でもこいつが動くと不思議に問題が解決する」という(ネガティブとポジティブ半々だった)見方だったものが、「彼のことをようく見ていると、別に私心はなくて、ただみんなのために一生懸命やるのが好きみたいだ。けっこういいヤツなんだ」というような100%好意的な見方に変わったのでした。

 

みんなの僕を見る目が、100%好意的になったと確信した僕は、僕の入社以来の目標であった「このホテルの社員全員を、自分が橋渡しになって派閥を越えてみんな仲良くさせよう」という作戦を実行することにしたのでした。

 

と言うことで、いよいよ次回から「社員仲良し大作戦」のお話しになります。(笑)

 

どうぞお楽しみに!

 

それでは又来週の金曜日にお会いしましょう!

 

みなさんお元気で!(コロナウイルスに負けないで頑張りましょう!)

 

スペインのイルンより心を込めて、、、

 

水谷孝