いじめ防止対策推進法が施行されて9月28日で10年になりました。この法は、2011年に起きた大津市の中学校2年生の男子生徒のいじめによる自殺事件がきっかけにできたものです。(この事件は、学校や教育委員会の対応に非常に大きな問題があり、いじめた側に対する裁判も行われました。)

 

防止法10年を迎え、学校はいじめの早期発見に取り組むべく対応を行い、いじめの認知件数は増加傾向にあります。増加したことを、学校が対応できていない、学校はいじめを解決できない、とする一部マスコミもありますが、そうではありません。文部科学省では、「児童生徒の様子をきめ細かく見ている結果」としています。ただ、「重大事態」(いじめられた児童生徒に重大な被害がある)の件数が705件(2021年度)と増えてきている点は深刻で、かつ「重大事態」を把握する前にいじめを認知できていなかったのが、約44%の310件もあったことが問題視されています。

 

いじめについては、教員の勤務時間増や人員不足などが報じされていますので、現場だけに頼らない対応も必要になってきています。また、いじめをした側への毅然とした処置も重要になるでしょう。(いじめを受けた児童生徒の転学・転校が対策として示されていますが、本来いじめた側が転学・転校すべきかと私は考えます。)

 

こうした中、フランスで行われた処置はショッキングでした。フランスの警察が、いじめをした生徒(中学生)を授業中に逮捕するという事件が起きました。

フランスはでは、2022年3月に刑法が改正されて、学校でのいじめが「犯罪」となりました。例えば、いじめられた側が8日以内の通学不能となった場合、いじめた側は3年以下の懲役、日本円にして約700万円の罰金を科すなどの規定があります。フランスと日本では考え方も教育の在り方も異なりますが、このように対処している国もあるということは知るべきでしょう。