学力調査の学校別成績が公表されることになりました。学力調査は毎年4月に行われていますので、次回2014年から、ということになります。
 
文部科学省では「指導の改善のため」と強調し、下村大臣は「保護者に説明責任を果たさなければいけない」と話しました。ただし、公表する場合は、学校の良し悪しが序列化しないように、例えば学校別平均点一覧表などは公表しないように、と注意しています。これを聞いたとき、私は一体どういうことを言っているのかな、としばし理解ができませんでした。一覧表は禁止、と言っても、公表された学校別の成績を集めれば誰でも一覧表ができます。公表しない市区があったとしても、地道に数字を集めれば、全国での順番もわかるのではないか、と思うのです。
 
ただ、序列化とそれに伴う競争が一概に悪いかどうか。何度も名前を出して恐縮ですが、橋本市長は明らかに学校の序列化・競争を推進しています。成績公表でも何でもやって、とにかく各学校それぞれが競争して少しでもいい学校(この場合は学力調査の成績がいい学校)にすることが、教育の質を高めることだと考えているのだと思いますし、そういう考えの方も少なくないかもしれません。
 
ただ、学力調査は小学校・中学校の最高学年とは言え、全校の一部の児童・生徒の参加です。教科も国語と算数・数学(2012年から理科も)ですので、これも一部だと言えます。体力や芸術的感性などを調べているわけではありません。ですから、保護者やマスコミの方は、学力調査の成績をもって、あの学校はいい、あの学校はダメ、と一面的に判断するべきではないと思います。一方、それがなかなか難しい、という心理が生まれるのもわかりますが・・・。
 
なお、イギリスでは、サッチャー政権下で「ナショナルテスト」という一斉テストが行われ、現在も続いているそうですが、近年競争がエスカレートしたため、今は廃止の方向にあると聞いています。果たして、日本の学力調査はどこへ向かうのでしょうか。
 
私は、「テスト」ではなく「調査」である、という原点に戻るべきだと思うのですが・・・。
 
(1つの話題について長々と書きすぎました。お付き合いいただいて、ありがとうございます。)