小学校の5年・6年に「外国語活動」という時間があります。2011年度から、会話を中心とした授業をするように規定されて、各学校で行われています。正式な教科ではありませんので、11月21日で取り上げました道徳と同様、教科書はありません。もちろん、外国語=英語です。
 
この度、文部科学省では、2020年の実施を目指して、「外国語活動」を小学校3年から前倒しし、小学校5年からは正式教科にする、という報道がありました。早期に基礎的な英語力を身に付け、世界で活躍できる人材を育成するのがねらいです。(それにしても2020年とはだいぶ先、オリンピックの年ですね。)
 
この話が出たとき、ラジオで森本毅郎さんが「小学校3年と言わず、1年生からでもいいのでは」と発言されていました。確かに語学は早い時期ほど覚えがいいでしょう。アジアの各国では、英語が早い時期から必須である国もかなり多いと思います。
 
私は英語の読み書きはともかく、英会話は全く駄目で、たまに海外旅行などすると、英会話ができる人をとてもうらやましく思いました。ただ、一方で、海外旅行を除くと、あまり英語が必要でないことも事実でした。
 
マイクロソフトの元副社長の成毛眞氏が興味深いことを述べています。氏の主張では、社会に出て本当に英語が必要な人(職種)は全体の1割程度。残りの9割はまず必要ない、ということです。確かに、森本アナのような職業の方は、英語の必要性を痛感しているでしょうが、大半の職業の方は日常の中で英語を駆使することはないでしょう。また、成毛氏は、英語を学ぶより、本を読み本当の学問をしなさい、と説いています。(成毛眞『日本人の9割に英語はいらない』)
 
成毛氏も述べていますが、日本の英語教育の問題もあります。会話重視・コミュニケーション重視といいながら、結局受験英語のための英語教育になっていることは、ほとんどの方が周知している事実です。中学から何年もの間懸命に英語の勉強をしたのに、英会話はほとんど無理、という人も多いでしょう。そういう意味でも、日本の英語教育は課題満載なのです。