少々以前の新聞記事のことで失礼します。朝日新聞10月30日夕刊です。「ガンバレ都会っ子先生」というタイトルで「虫が怖くてつかめない」「マッチのすり方を知らない」「ガスバーナーが使えない」・・・という今時の若い先生方の現状を示した記事がありました。
 
確かにそういう先生がいそうな気がします。何しろ、年配の方と違って、若い先生方の、虫や草木などと直に接する自然体験は豊富とは言えないでしょう。もちろん、マッチやガスバーナーは過去の遺物で、直接に触れることもないでしょう。。一方、好き嫌いもあると思います。私自身子どもの頃は虫は大好きだったのですが、今はどちらかというと苦手です。この記事に出ているザリガニ・カエル・カマキリなどはOKですが、例えばダンゴムシは全くダメ。私は小学校の教師ではなく、高校教師だったため、ダンゴムシとお付き合いすることはなかったのですが、転職して出版社に勤務しているとき、小学校の先生の話を聞いて驚きました。「子どもたちがダンゴムシを見つけるでしょ。そうすると、教室に持ってこさせて、ダンゴムシ徒競争というのをやるんだよね。これがすごい盛り上がるんだよ。」ウ~ム、そうきたか、という感じですね。小学校教師恐るべし。私にとって、さわりたくもない、否見たくもないダンゴムシで遊ぶとは・・・。
 
教育委員会は、今時の先生向けに講習などの対策をするそうですが、私としては、先生になる前に、どういう教育課程・内容があるか具体的に知っておいてもらいたいと思います。はっきり言って、ザリガニやカマキリにさわれないのでは指導ができません。それ以外のことも含めて、大学の教職課程では具体的な教育内容よりも、理論を重視する傾向があります。これは教員採用試験の関係もあるでしょうが、実際の現場では理論はほとんど通用しません。
 
今の若い人たちの具体的な生活体験の希薄さを問題にする人も多いのですが、学校、特に小中学校は現実の生活よりかなりアナログで、直接体験重視型であることを認識してもらいたいと思います。大学ではそのことをよく知らしめて、未来の先生方の自覚を促していただいたいと思います。
 
それはともかく、若い先生方、これから先生になる方、慣れればOKです。現場に出る前に心構えができれば大丈夫。何とでもなります。それが仕事なのですから。