薄器螺鈿修理② 螺鈿の再接着・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

薄器の螺鈿修理は後半戦に。
剥がれた蝶翅螺鈿の再接着であります。。。

前回までは、蝶翅螺鈿の割れたところや
欠けた部分の補完をしておりましたが、、、


接着のためエポキシ樹脂を含浸させていたところは、
固定のため螺鈿裏側に貼っていたセロハンテープを剥がし、、、
はみ出たエポキシ樹脂に研ぎを入れて、ある程度除去します。

研ぎ入れ過ぎると、また螺鈿が割れたり取れて来るので
この作業は要注意であります!


そして、表側にセロハンテープの脚を付けて、、、


またひっくり返して、呂瀬漆(生漆+黒漆)を裏塗りしておきます。。。


2日後、、、乾いた状態です。


表側から見るとこのように。


裏側は、傷口などがボコボコしておりますので、
しっかり研ぎを入れ、より平滑にします。。。


接着面は、漆の厚み分で螺鈿が出っ張って来ないよう
更に研ぎを入れて、底を下げます。。。


最終的にはカッターの刃の裏で削り、
微細な底辺調整を行います。。。

これはけっこう手間ですが、大切です(^^;


一旦嵌めてみて、、、何度か微調整し、
ほぼOK(90%)の適合をもって良しとします。

そして本日、、、いよいよ再接着であります。


スタンバイOK!


蒔絵筆で丁寧に呂瀬漆を塗って行きます。。。


螺鈿裏面にも、、、


一旦、湿気ムロに両者を入れ、
半乾きにさせたところで、、、


慎重に貼り付けます。。。


しっかりと圧着を!


やはり螺鈿の歪みなどあり、
浮いてくる可能性もありますので、
セロハンテープで固定します。。。


数時間置いて、呂瀬漆がある程度硬化したところを見計らい、
螺鈿の際から、ダメ押しの呂瀬漆注入を行います。


はみ出た呂瀬漆を拭き取って、、、
このまま数日おきましょう。

つづく。。。