薄器の螺鈿修理は後半戦に。
剥がれた蝶翅螺鈿の再接着であります。。。
前回までは、蝶翅螺鈿の割れたところや
欠けた部分の補完をしておりましたが、、、

接着のためエポキシ樹脂を含浸させていたところは、
固定のため螺鈿裏側に貼っていたセロハンテープを剥がし、、、
はみ出たエポキシ樹脂に研ぎを入れて、ある程度除去します。
研ぎ入れ過ぎると、また螺鈿が割れたり取れて来るので
この作業は要注意であります!

そして、表側にセロハンテープの脚を付けて、、、

またひっくり返して、呂瀬漆(生漆+黒漆)を裏塗りしておきます。。。

2日後、、、乾いた状態です。

表側から見るとこのように。

裏側は、傷口などがボコボコしておりますので、
しっかり研ぎを入れ、より平滑にします。。。

接着面は、漆の厚み分で螺鈿が出っ張って来ないよう
更に研ぎを入れて、底を下げます。。。

最終的にはカッターの刃の裏で削り、
微細な底辺調整を行います。。。
これはけっこう手間ですが、大切です(^^;

一旦嵌めてみて、、、何度か微調整し、
ほぼOK(90%)の適合をもって良しとします。
そして本日、、、いよいよ再接着であります。

スタンバイOK!

蒔絵筆で丁寧に呂瀬漆を塗って行きます。。。

螺鈿裏面にも、、、

一旦、湿気ムロに両者を入れ、
半乾きにさせたところで、、、

慎重に貼り付けます。。。

しっかりと圧着を!

やはり螺鈿の歪みなどあり、
浮いてくる可能性もありますので、
セロハンテープで固定します。。。

数時間置いて、呂瀬漆がある程度硬化したところを見計らい、
螺鈿の際から、ダメ押しの呂瀬漆注入を行います。

はみ出た呂瀬漆を拭き取って、、、
このまま数日おきましょう。
つづく。。。