琵琶螺鈿修理② 白蝶貝加工・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

夏の終わりにお預かりした古い琵琶。

こちらは白蝶貝で作られた螺鈿の修理を行いますが、、、
諸々の事情あって作業スペースを確保する必要があり、
先行して修理を行うことに。。。


まずは欠損部分のトレースから。
紙を当てて鉛筆でなぞります。。。


こちらも同じく。。。


覆手前板裏面に付いている固定薄板(爪)の螺鈿も、、、


しっかりと採寸です。。。


これで採寸が完了しました。


次にフィルムにトレースして、、、


材料選びです。。。

ちょっと多い!選ぶのに苦労しました(^^;


まずは爪の螺鈿から、形を写し取って輪郭加工。。。
擦り板とヤスリ、そして水を使います。


他のパーツも大枠で加工~OK!


その次は厚み加工。。。
ここは一工夫~~~両面テープで留めて、、、


ダイヤモンド砥石に押し付けながらスリスリと。。。


厚みも計りながら、、、OK、、、
いやっ!!削り過ぎました~(^^;

1.2mm厚にしたかったところを1.0mmに。。。
やり直しです(~_~;)

さて、ここからが時間がかかりました。
現物合わせで欠損部の凹み、継ぎ目に合わせる必要があり、
精度がハンパなく求められる作業が続き、、、


4時間以上の作業の後に、ようやく補完パーツが完成!!

この4パーツだけ(+やり損じ2パーツ)で4時間以上とは、、、
複雑な形状もありましたので、ピタッと合わせるには
当然と言えば当然でしょうか。。。

現物合わせの難しさを、今回もしっかり味わったのでした(^^;


こちら糸巻接合部右側は、、、


こんな感じで。。。


左側も、、、


このように。。。


覆手前板裏面の固定薄板(爪)も、、、


ピッタリと。。。

さぁ~この突貫作業で螺鈿加工が完了しました。
次は割れた覆手前板螺鈿の接合と、、、
膠による補完螺鈿の接着であります。

つづく。。。