螺鈿硯箱の修理⑥ 螺鈿貼付部目止め・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
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昨日、生漆を含浸させた螺鈿貼付部は、カチッと固まりました!(^.^)


しかし、その固まった(乾燥した)様子を見ますと、
やはり木材の導管や凹みが所々現れて来ています。

それもそのはず、膠などの除去・清掃をする過程で研ぎも施し、
元々の塗膜を剥いでしまったのですから(^^;

この硯箱は拭き漆で木地が仕上げられたもの。
ということは、下地の段階で目止めが施されたと考えられます。
つまり、その工程と同様にするのが筋ですから、、、


木固めに研ぎを入れて、、、


ハチ錆漆を作り、、、


貼付部に塗って、、、


余分なハチ錆漆を拭き取り、目止め完了です。

これで、木材の導管や凹みは粗方埋まり、今後上塗りして行く漆は、木地への余計な吸い込みが防止されますし、補修螺鈿も安定密着し、剥がれ防止にもつながることでしょう。

つづく。。。