螺鈿硯箱の修理③ 裏白色落とし・・・ | 装飾工房『瑞緒 mizuo』よかよかブログ

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螺鈿細工、漆芸品、装飾品、工芸品を制作する福岡の工房。
日々の作業の様子、体験談などをご紹介します。

螺鈿硯箱の修理~その3回目。
螺鈿が欠損したし剥がされた部分に残った白い塗料を清掃します。


1回目でもご紹介した通り、この白い塗料は恐らく胡粉を混ぜた膠。水で濡らしながら綿棒などを使って落としていきます。


こちらは秋草の葉っぱを清掃している動画です。

*写真をクリック


清掃し終わった状態。
スッキリとしていますね~(^.^)


そして、問題となっている補修が施された螺鈿!
補修時に使われた接着剤が中々水で溶けないのですが、
なんと、全体の60%が補修されていました(^^;

補修接着剤と白い塗料とが妙にしっかりと結合して、
剥がすのに相当な労力と時間を要していまして、、、


この動画の螺鈿がその一つであり、ようやく最後の一枚となりました。*写真をクリック

最初は水を付けて刃を入れつつ縁の接着剤を溶かし、その後も水でじっくり時間をかけて溶かしながら、髪の毛で剥がしていく作業になっていますが、下手をすると一つ剥がすだけで1日かかります(;'∀')


半分程接着剤を除去した状態。。。
もう何か他の仕事をやりながら~の作業ですが、これで最後かと思うと、自分でもよくやったな~と思います(^_^;)

こちらはNo.4グループと名付けた螺鈿。
すべて補修されておりますが、バラバラにくっつけられております。かなり接着剤が使われ、一番剥がすのが難しかったところでもあります。

補修した箇所は何度か粘り負けしそうになって、もう剥がさずにそのままで!!と言いたくなりましたが、どれも裏白色が傷み、元々貼られている部位から相当ズレていましたので、やはり貼り直しを敢行~と思い直しました。(-_-;)

「修理は粘り!」
この言葉を改めて心に刻みながら、引き続き進めて参ります。

つづく。。。