自民党の新総裁に高市氏が就任しました。通常国会の閉会が6月22日でしたので、100日以上の間、政治空白が続いてきました。そこまで国政を停滞させて決めた新総裁ですが「表紙を変えただけで中身は変わらない。むしろ悪化している」と率直に感じています。
街中で様々な方とお話しをすると、裏金問題や旧統一教会問題の解明などに本気で取り組まない自民党に対し、厳しい目が向いていることを痛感します。衆参両院の選挙で大敗した理由は、2つの問題を放置した結果、支持率が下がったからだと指摘されています。さすがに自民党も選挙の敗因が分かっているようで「解党的出直し」などと各候補は訴えましたが、実態解明および再発防止策の議論もほとんどなく、口先だけでした。本来、自民党の解党的出直しとは「派閥の解消」と「裏金議員の一掃」であるはずです。しかしながら今回の総裁選は、唯一派閥を維持した「麻生派の勝利」と報じられています。その結果、萩生田幹事長代行をはじめとする「裏金議員の復権」となりました。あるべき姿と真逆の行動をしているのが、今の自民党なのです。さらに企業団体献金に関しては、これまでの連立相手である公明党の提案さえ拒んでおり、総じて「今の自民党に自浄作用はない」ことが改めて露呈された総裁選でした。
日本経済については、積極財政派である高市氏が総裁に選出されて以来、円が下落しています。『積極財政↓貨幣供給量の増加↓円の価値が下がる↓1ドル=100円で買えていたものが、150円かかるようになる↓食料品の6割・エネルギーの9割を輸入しているため、調達コストが高くなりインフレが進む』。この流れはアベノミクス以降から現在の日本を見ても分かる通り間違いのない事実ですので、これまでの発言を踏まえ、セオリー通りに円安が進行しているとも言えます。
2013年以降、政府が国債を大量に発行し続けたことで、現在の円安・インフレ・日本国民の購買力低下を招きました。不動産など資産価値が高騰し、住宅取得が困難となりました。このような状況を是正するため、日銀は2023年に植田総裁へ交代して以降、景気の急激な悪化を避けつつ慎重に対応を進めていました。しかし高市新総裁はアベノミクスの継承を掲げ、金融政策も政府の責任とする姿勢を示しています。この方向性が修正されない限り、円安・インフレ・実質賃金低下と資産価格の高騰は続きやすくなると考えます。つまり、ようやく落ち着きつつある物価高も、輸入インフレで又悪化する可能性が生じているのです。
裏金問題の反省を踏まえた政治改革も、アベノミクスに端を発する物価高の対策も、政権側に立てば一層実行力が高まります。政治改革と物価高対策に目的を絞った期間限定の政権であれば、野党間で一致点を見出せると考えます。首班指名選挙の当日まで知恵を絞り、国民本位の政策を実現すべく行動して参ります。
