突然ですがみなさんは「メン地下」と言う言葉をご存知だろうか。私はこの言葉を最初に耳にしたとき、メンチカツの略称だと思い込み、行き過ぎた略語文化に辟易としていたが、どうやら「メン地下アイドル」の略称でメンチカツとは一切関係ないらしい。と茶番はさておき、最近はこの「メン地下」と呼ばれるジャンルが破竹の勢いで伸びてきている。以下、メンズ地下アイドルを中心に日本の男性アイドルシーンについて自分なりに考察してみた

 

 

 

メンズ地下アイドルとは

大手芸能事務所に所属せず、小規模なライブハウスやイベント会場などを中心に活動している男性アイドルグループのことである。ファンとの距離が近かったり、マスメディアへの露出が少なかったりするのが特徴である。以下2つの代表的なグループを紹介する。夢喰neonとらぶしっくだ。

 

夢喰neon(夢喰neon公式ホームページより)

 

らぶしっく(らぶしっく公式ファンクラブより)

 

彼らは私のイメージの中のアイドル像とは程遠くらどちらかと言うと歌舞伎町のホストの集まり?みたいだと言う印象だを持った。特にらぶしっくの画像の真ん中(はやてくん)に限ってはまるで女性のような見た目をしており(もちろん男性アイドルグループなのでヘテロ的には男性である(公式))独特な様相である。

 

メン地下から見る現代社会

エンタメ産業の変化は社会の変化の様子と密接に関係しており、その様相から世相を垣間見ることができる。そもそもアイドルにおける本懐は自分の人生に不足している部分を他人に委ねるところにあり、このメン地下のようなアイドルが流行っているのを見るに、ストレス社会と人との温もりが失われつつある社会を憂う次第である。また彼らの作る音楽の曲調は、単位時間あたりのドーパミン放出量を最大化するように設計されており、国民総ドパガキ化の現代社会(現代の若者は平均して1日あたり1〜2時間ほどショート動画を視聴するという。1本あたりの滞在時間はおおよそ20秒らしいので、一日大体200本〜400本ほど見ているということになる)において、このようなエンタメが人気を集めるのは至極当たり前な流れであると考えられる。

 

このメンズ地下アイドルをきっかけに日本の男性アイドルについて調べていたところ、日本の男性アイドル業界は2020年あたりを堺に大きな転換点を迎えていることがわかった。

 

日本の男性アイドルの歴史

ここで一度日本の男性アイドルシーンをおさらいしてみよう。

1980年代〜1990年代:

沢田研二のようなソロシンガーや、チェッカーズのようなバンド形式など、テレビの音楽番組を主戦場とし、純粋に歌そのもので魅了するアーティストが多かった時代である。新御三家や光GENJIなども社会現象となり誰もが知る国民的スターが次々と誕生した。日本の男性アイドルの夜明けである。

 

 

チェッカーズ

 

2000年代〜2010年代:

SMAPや嵐が台頭し、歌だけでなくバラエティ番組での親しみやすさや、エンターテインメント性の高い大規模なライブパフォーマンスがアイドルの主軸となった。この辺りからアイドルに舞台でのパフォーマンスが求められるようになった。

 

 

嵐のメンバー(嵐ホームページより引用)

 

 

2010年代~2020年代:
東方神起やBIGBANG、のちのBTSなどに代表されるK-POP文化が一気に日本に流入する。圧倒的なダンススキルと華美なルックス、日本の男性アイドルシーンもオーディション番組などを通じてK-POP的なフォーマットやパフォーマンスを強く意識する時代へと突入していった。

 

 

SnowManのメンバー(エイベックス・ポータルより引用)

 

この辺りでアイドル文化の進化は頭打ちだろうと思っていたが、新たな波が訪れた。

 

2020年〜:

革命が起きた。K-POP型がメインストリームを占める中で、メンズ地下アイドルという新たなジャンルが急速に勢いを増してきたのである。彼らはテレビではなくSNSを主な広告媒体として用い、小さなライブハウスを主戦場とし、チェキ会などを通じたファンとの距離の近さと熱量で独自の経済圏を確立した。ファンと共に熱狂を作っていくというやり方である。歌唱スタイルやライブパフォーマンスも日本独自のものである

 

代表的メンズ地下アイドルらぶしっくのメンバー

(らぶしっく公式ホームページより)

 

今後の日本の男性アイドル

この一連の流れを見て、K-POPに奪われていた日本の男性アイドルの文化は、一周してようやく我々の元に戻ってきたように思える。ただ時代は繰り返す。もちろんこのままアジアの男性アイドル文化のイニシアチブを日本が保持したまま流行の最前線を突っ走ることはできないだろう。私の見立てではおそらくこの先10年後あたりに、この中性アイドルブームの反動から、フィジカルエリートを寄せ集めた白人系・黒人系寄せ(所謂ザイル系に近い)のアイドルグループが爆誕し栄華を極めるのではないかと見立てている。

 

メン地下の光と闇

光が強ければその分影も強くなる、またその逆も然り。メンズ地下アイドルは文字通りアングラな舞台故に、様々な問題が発生するのは確かである。一方で酒やタバコと同じようにマイナスの面があるものほどよく社会に浸透する。

ただ2000年代初頭以降K-POP市場に蹂躙された日本のアイドルシーンの四半世紀ぶりの王政復古である。アジアの文化的イニシアチブの奪還である。個人的には喜ばしい部分もある。

 

おわりに

我々が若き日を生きたこの時代に純粋ドメスティックなメン地下文化が勃興したことを誇りに思い数十年後にこのメン地下文化を振り返ったときに、いい時代だったと思える日が来ることを切に願っている...

とまぁ㊙️㊙️㊙️(自主規制)特有の反芻思考が止まらないため、言いたいことはまだ山ほどあるがこの辺りで文章を締めよう。

 

そこまでアイドルに詳しくないのでこの記事が的を得てるかどうかはよくわからんが、反論なり好評なりは実名でも匿名でも何でも待ってます。

 

以上。