今年も早いものでお盆を迎える時期と
なりました。
日本人の魂(DNA)に脈々と生きづく祖霊への敬慕と感謝の
の姿勢こそ、供養の精神といえましょう。
この時期に行われるお盆の行事と施餓鬼(せがき)供養について。
お盆には、自分にとって好ましい精霊だけが、この世に帰ってくる訳では
ありません。好むと好まざるとに関わらず、あなたにとって縁のある精霊が
自分の存在を理解して欲しいとやってきます。
或いは、大切な故人が餓鬼(がき)の世界に生まれ変わっているかも
知れません。施餓鬼法会(せがきほうえ)とは、有縁無縁の精霊と餓鬼の世界に
堕ちた霊に供養をつとめると共に、今を生きる私達の偏見やエゴをご本尊さまの
大慈悲のお力で寛容と報恩の心に変えて頂くための法要でございます。
ところで、お盆とは正式には盂蘭盆(うらぼん)といいまして、古代インドのサンスクリット語の
ウランバナを語源とし、お釈迦さまの弟子である目連尊者の故事によるものです。
この話は、多くの仏伝にあるとおりで今回は割愛いたしますが、お盆とはまさに台所にある「盆」の
ことでございます。
この「盆」は、漢字で書くと、皿の上のものがそれぞれに分をわかちあい
沢山の物が一度に整然と載る様子を表します
まさに、この世を「盆」に例えますと、私達多くの人間は、一人ひとりが
この世の上で一緒に暮らしています。
仮に、その私達が自分の主張ばかり通して生活すればどうなるでしょうか。
その事を考えれば、おのずとそれぞれの人達の分を理解して、お互いが
お互いの分を尊重することの大切さがわかってきます。
自分ひとりだけが生きているのではない。多くの存在があって共に生かし生かされて
この世があることを知る必要があるのです。
きっと、その事に気付くのがこのお盆の行事といえるでしょう。
明日は、長楽寺の施餓鬼法会です。午後4時から執行致します。
南無五智如来・南無三界萬霊
(長楽寺のホームページ)
