白いご飯もパンも麺もおまけに肉もよくない。そんなことを言われたら食べるものがなくなってしまう。


そう感じた人もいるかと思いますが、とりあえず話を先に進めましょう。


伝統的な日本食は、『一汁一菜』と言って、玄米や雑穀などをベースにした主食と季節の野菜や海草を中心にした副食の組み合わせを基本にしていました。


そこに魚や貝などが加わることもありましたが、確かに質素です。


『こんな食事で本当に元気が出るのか?』という声が出てきそうですが、宮本武蔵にしても、戦国時代の秀吉、家康、信玄、謙信などの武将にしても、普段はこうした食事が当たり前だったわけです。


1549年に来日した宣教師、フランシスコザビエルがローマに送った書簡に記された一説です。


『日本人は彼らの飼う家畜を食べることをしない。彼らは時々魚を食膳に供しコメや麦を食べるのであるが、それも少量である。


しかし、彼らの採る野菜は豊富であり、僅かではあるが、種々の果物もある。しかもこの国の住民は不思議なほど健康であり、中には稀な高齢に達する者も少なくない』


長沼 敬憲