丸川珠代大臣ら議員50人が「選択的夫婦別姓の反対を求める文書」を送ったというニュースを見まして

「これは、どうしても言っておかねばならん」

 

と思い、『運命』でも弾いてんのかってくらいの勢いでキーボードを叩いているわけですが

ところで、まだ皆さんにお伝えしていなかったことがありまして、私の「水野敬也」という著者名は、もともと本名だったのですが結婚してペンネームになりました。

つまり、妻の籍に……今、「つまり」と「妻」が偶然掛かってしまいましたが、緊張しながら報告をしているときに予期せぬダジャレが差し込まれてしまうこの残念な現象に何か名前をつけたほうが良いのではないかと思うのですが、


――完全に話がそれました。僕は、妻の籍に入り、苗字を変えたんです。


これはもう本当に色々悩んでこうしたわけなんですけど、そのことを詳しく書くと両親や家族の負担が増える可能性があるのでそこは行間を読んでいただくとして、

こんな話をすると、

「ああ、だから水野は選択的夫婦別姓に賛成してるんだな」

と思われる方も多いと思うのですが、事情は少し違うんです。


まあ、確かに、パスポートとかクレジットカードの名前を変えたりするのは面倒だったのですが

僕は著書でも「その、何事も面倒くさがる姿勢がお前を成功から遠ざけてるのだ」とか書きまくっていますし、

「男なのに苗字変えちゃう俺ってどうよ?」「長年培ってきた水野敬也をペンネームにできちゃう俺ってどうなのよ?」

と人と違う行動を取れることに自己陶酔(自己泥酔)できちゃう人間なんで、別姓を選べないことに関して実はそれほど苦じゃありませんでした(ただ、選べたら苗字は変えなかったと思います)。


ちなみに、余談ですが、友人の編集者に



「僕、結婚して水野敬也がペンネームになったんすわ」



とイキって報告したところ、




「椎名誠さんがそうですよね」




と即答されまして、人生の真理を得意げに語っていたら「それ、前にビートたけしが同じこと言ってたよ」って切り返されるみたいな状況(この現象にも名前をつけたいところです)


になってしまって全力で赤面することになったのですが、


じゃあなんで僕が「選択的夫婦別姓」に賛成しているのかと言いますと、


僕が結婚を報告した時に両親の反応が良くなくて、色々話し合ったりするプロセスがすごく大変で、「これって、同じような状況を経験している人が他にもいるんじゃないか」と思って、「結婚 親 反対」で調べてみたんですよ。


そしたら、想像を絶する経験をしている人たちの話が次から次へと出てきて、涙が止まらなかったんです。


たとえば、ある女性が結婚したい男性(A)を両親に紹介したところ、


女性の父親がAの出身大学を聞いて、その大学の偏差値があまり高くなかったので、


父親がAを女性の前で罵倒し始めたらしいんです。



こんな愚かなこと、あります?



でも、僕自身、「良い大学に行け」と言って育てられ、合格した大学名で手のひらを変えて評価する大人たちをたくさん見てきたので(というか、僕が中学高校時代に会った大人で、「大学の名前で人を判断するな」と言った大人は、たったの一人もいませんでした)


こんな悲しいやりとりが、この日本で一体どれほどの数、繰り返されてきた(繰り返されている)のだろうと想像するとめちゃくちゃ胸が痛みました。


それ以外にも結婚に反対された人の体験談はたくさんあって、たとえば「相手の男性の身長が低い」ことを理由に反対されたとか「持病がある」とか「育ちが悪い」とか、

個人の意志や努力とは無関係の、それはもう、人としての尊厳を踏みにじるような理由で反対されたケースが多々あり、怒りと悲しみで震えながら文章を読み進めることになったんです。


――この話を聞いて、

 

「反対する親が間違っているんだから、そんな意見は無視して結婚すれば良い」

と言う人もいるでしょう。さらにはこんなことを言う人もいるかもしれません。

「反対を押し切れないなら、その程度の愛だったんだ」


でも、僕はネット上で見た大量の「結婚を反対された人たち」に関する文章を読んで、そんな風には思えませんでした。

いや、僕みたいな人間は良いんです。

「結婚のとき妻の姓を名乗る人の割合ってどれくらいなんだろ……4%! 選ばれし者じゃん!」とか思えて、


号泣しながら両親と激論を交わしながらも、頭の片隅では(このやりとり、絶対、いつか本に書けるぞ)と思い、帰りの新幹線で全部メモっておいて、ちゃんと「夢をかなえるゾウ4」にぶっこんで、印税いただいてますんでね。



でも、世の中の人、みんながみんな僕みたいな自意識過剰自己泥酔野郎ですか? 



心無い理由で周囲に反対されたことで、結婚をあきらめたカップルもたくさんいるのではないでしょうか。


その人たちに対して「結婚という形式だけが愛じゃないから」とか「事実婚もあるよ。事実婚で幸せになればいいじゃん」


と言いますか。言えますか。



僕は、言えない。絶対に。


だって、ある人がある人と出会い、お互い好きになり、「家族になりたい」と言っている。



そんな人たちに対して、苦しませたり、負荷をかけたりするようなことは1ミリたりともしてはいけない。



そんな人たちに対して、周囲は何をすべきか?制度は何をすべきか?



簡単です。





「おめでとう」ですよ。




ただただ、祝福すれば良いんです。



丸川大臣ら議員50人が送った文書の中で、選択的夫婦別姓に反対する理由としてこんな記述がありました。
 



3 法改正により、「同氏夫婦」「別氏夫婦」「通称使用夫婦」の3種類の夫婦が出現することから、第三者は神経質にならざるを得ない。
※前年まで同氏だった夫婦が「経過措置」を利用して別氏になっている可能性があり、子が両親どちらの氏を名乗っているかも不明であり、企業や個人からの送付物宛名や冠婚葬祭時などに個別の確認が必要。

4 夫婦別氏推進論者が「戸籍廃止論」を主張しているが、戸籍制度に立脚する多数の法律や年金・福祉・保険制度等について、見直しが必要となる。
※例えば、「遺産相続」「配偶者控除」「児童扶養手当(母子家庭)」「特別児童扶養手当(障害児童)」「母子寡婦福祉資金貸付(母子・寡婦)」の手続にも、公証力が明確である戸籍抄本・謄本が活用されている。

 


 


面倒くさがるのやめましょうよ。

 

 

 

 

お互い好きになった二人がそうしたいって言ってるんだから。行政を含む第三者は面倒くさがるんじゃなくて、


二人が求める幸せの形を「フォロー」しましょうよ。



二人が別姓にしたいって言うなら、それをご祝儀にしましょうよ。




ちなみに、二人の娘がいる我が家では、妻が僕のことを何て呼んでると思います?





「水野さん」




ですからね。


最初のころは「さすがにそれはわけわかんなくなるんじゃないの?」と言ったのですが、妻は「呼び方を変えるのが照れくさい」とのことで、「水野さん」のままきてますね。

上の子は普段の生活では僕のことを「けいちゃん」「パパ」などと呼んでますが、僕に何かをねだったりバカにしたりするときだけ





「水野さぁ~ん」





と呼んできます。


下の子は「うー」と言ってます。まだ1歳なんでね。




「家族の幸せの形は、家族の数だけある」――言い古された言葉ですが、実際に家族を持つと本当にそのとおりだと実感しています。




また、今回の僕の意見は心情的なものでしたが、現状の制度では多様なケースにおける「子どもの福祉」を守れていないという法律上の問題があり





丸川大臣らが提出した意見書にも、法的な認識の誤りがたくさん含まれているのでその点に関してはこちらのサイトをご覧ください。

「選択的夫婦別姓 全国陳情アクション」
https://chinjyo-action.com/open-letter/

 

 

 

 

 

 

 

お互いを好きになり、家族になりたいと願うすべての人が、制度から「おめでとう」と言ってもらえる。そんな日が、一日でも早く実現することを願っています。