スコットランドに旅行した時の事を、ふと思い出したのですが、そこへ行く直前に私は、アイルランドで放浪の旅をしており、旅行にしてはかなりたくさんの人々と出会い、思い出深い旅となりました。アイルランドで牧歌的な風景を楽しんでいたある日、わたしは突然、スコットランドに向かいました。スコットランドの中心部であるエディンバラに到着したのは、夜の8時を過ぎた頃でしたが、何というか、エディンバラの「ウェルカム」は、ゴロゴロピカーーーッ!!という、雷の轟音と凄まじい稲光りでした。それで、あまりにも恐ろしく感じてしまったのは、古く重厚なエディンバラ城の姿なのでした。というのも、そのゴロゴロピカーーーッ!!となった時に、私の頭上の先に、そびえ立つようにして、エディンバラ城の影が稲光りに黒く浮き上がって見えたからです。思わず「キャーーー!!」って叫んで近くに居た知らない観光客の女性に駆け寄ってしまいました(笑)それが私が最初に見たエディンバラ城の姿でしたが、昼間見ると、このように中世の雰囲気そのものを携えて、美しく静かに丘の上に佇んでいます。
「僕のエディンバラの家にはゴーストが出るんだよ。真夜中になると、リビングのソファに座っているんだ。家族はみんな知ってるよ。僕が子供の頃には既に居たんだ。」と、以前の職場で、スコットランド人のマネージャーさんが言っていました。「日本の人達はゴーストの存在を信じていない人が多いよね。だってその話をするとみんな”うそー?”っていう反応をするから。スコットランドではゴーストを信じている人が多いよ。僕の家族も、ゴーストと一緒に住んでいるみたいなものだしね。」とも言っていました。以前、イギリス人は人の家に幽霊が出ると、みんなでそれを見に行くというような事を耳にしたことがありましたが、それもどうやら一部では本当のようですね(笑)
スコットランド旅行の際、宿泊したのはオールドタウンというエリアでしたが、このオールドタウンは中世の形のまま残されているらしく、古い石畳や、クロースという階段を伴った細い路地がある風景は、溜息が出てしまうほど美しいのです。しかし、私がエディンバラのバスターミナルに到着したのは夜の8時、雷つきの雨が降っていましたし、到着直後に偶然見てしまった、稲光りを背後にしょったエディンバラ城の姿にビビっていたので、街灯に揺れる町並みが美しいとか、そんなことには全く気が付きませんでした。なんと、よりによって、その日は泊まる宿を決めていませんでしたので、観光案内所で紹介してもらった幾つかのホテルに「泊めて下さい!」と直に訪ねに行きました。雷が光る雨の夜のオールドタウンは、それこそ石畳の階段を昇る自分の後ろから、姿の見えない誰かがついてくるんじゃないか!?と思ってしまうほど怖い雰囲気だったので、重いはずの荷物の重さも感じる暇もないほど全力で、クロースの階段を駆けのぼり、ホテルを目指して走り続けました(笑)
オールドタウンに建っている建物は300年~500年前のものばかりだそうで、その中を改装してホテルやレストラン、または住まいにしているようですが、ハッキリ言って幽霊が出ても当然だろうという感じです。シャワーを浴びている時、シャワールームに誰かが扉を開けたガタンという音と、タイルの上をサンダル履きか何かで歩いているような足音と、ガサガサ何かを探すような音が聞こえたのに、シャワーカーテンを開けて見てみると誰も居ませんでしたし、夜も人が居ないはずの場所から人の気配とラップ音が聞こえていました。オールドタウンも小さなエリアですし、その中には中世の公開処刑場跡があったり、かなりオドロオドロしい場所も多いのでね。夜10時に集まってオールドタウンを散歩する「ゴーストツアー」というのもあるくらいですから(笑)ホテルのフロントにパンフレットが置いてありましたが、そこには「あなたがクロースの石畳の階段を、一歩一歩降りるたびに、時間が遡っていき、あなたは中世へとタイムトリップしていきます。」と書かれていました。まるで催眠療法の誘導の言葉みたいですね(笑)私が参加すると本当にヤバそうなのでやめておきました。
スコットランドのエディンバラには、ハギスなどの独特でちょっと珍しい郷土料理や、キルト姿の男性が演奏するバグパイプの美しい音色、500年前の中世の町並みの美しさにとどまらず、色々な意味で、なかなか味わい深いものがあるかと思います。イングランドともまた違った風景を楽しめると思いますので、一度訪れてみるのも良いかもしれません。ちなみに、アメリカ英語に慣れていらっしゃる人には、現地の人々が話す英語が、フランス語か小鳥のさえずりのように聞こえるかもしれません。それもなかなか耳に心地良いものですよ。
それでは、また!
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