アリスは時計を持って急いで走る兎を見つけ追いかけました。
そして背後からこう声を掛けました。
美味しいシチューが食べたいわ。
振り返った兎の目の前が真っ暗になりました。
兎肉のシチューを食べ終えたアリスは一人、不思議な国へと続く穴へと落ちて行きました。
次は塀の上にいたハンプティ・ダンプティと名乗る卵の頭を森に落ちていた太い木の棒で割りました。
とろりと卵の黄身が流れ出るかと思いきや、赤い液体が飛び散りました。
これはきっと美味しいジャムが出来ることでしょう。パンに付けて食べましょう。
アリスはニヤリと笑います。
庭園で紅茶を飲んでいたマッドハッター達がアリスに声を掛けました。
「紅茶はいかが?」
そして、お茶会に来る筈の兎が来ないのだと、彼らはそれを不思議だとアリスに言いました。
でもアリスは知らん顔で出された紅茶を飲み干します。
次に出会った赤の女王は兵士の首を刎ねろとギャアギャアと煩いだので用意した大きな鍋に突き落としてやりました。
あらあら、湯が熱すぎて肉が溶けてしまいましたね。
これでは食べられない、アリスは指をくわえて見ているしかありませんでした。
「お腹が空いたの。」
アリスはまた次の獲物を探しています。
しかし、こんな悪い子は不思議の国に来て欲しくありませんね。
不思議の国はもうグチャグチャ。
きっともっと多くの犠牲者が出るでしょうね。
それを黙って見ている私が誰かって?私はアリスの姉。
彼女に本を読み聞かせながら、彼女が奇行に走るのをずっと見てる。
さあ、妹が帰って来たらもっと沢山の土産話を聴きたいわ。