親孝行とは

孫を産むことが、一番の親孝行。
結婚して、子供を産んで初めて一人前。
そんな言葉を聞くことがあります。
私の周囲でも、言われたことが度々。
親や親族は一通り情報を知っているのか、私より先に結婚すべき人がいたからか、そういう事を言ってきたことはありません。
言ってくるのは、職場の人たちでした。
私の勤め先は平均年齢が高いので、価値観も古い人が多いです。
どれくらい年齢が高いかと言うと、社員25人の中小企業なのですが、40一歩手前の私より若い人は3人しかいません。20代なんて一人もいません。
そんな年齢層なので、「結婚する」と「子供を産む」がセットになってる人が多いのは仕方ないかもしれません。
事実、結婚していて子供がいないのは私だけです。

親や親族は、面と向かって子供は…とかは言いません。
しかし、兄に子供が産まれて、両親は祖父母になった時、顔が変わりました。
ああ、そんな嬉しそうな顔、するんだな。
孫のこと、可愛いって思うんだな、って。

兄の子供のことが可愛くないなんて事はありません。
私からしたら、たった一人しかいない、血のつながった姪なのですから。
しかし、見ていると、複雑な気持ちになります。
私がどれほどまでに望んでも、得られない存在。
両親にとって、孫を見せることは本当に親孝行なんだ、って。

私が両親に何をしても、何をプレゼントしても、大して喜ぶそぶりを見せなかった。
なのに、兄の子供を抱っこするだけで、みた事がない表情で大喜び。
「兄の子供」だからなのか、「孫」だからなのか。
もし、「私の子供」でも、喜んで抱っこしてくれたのかな…。
決して実現しない、たられば。実証する術は無い。