今回は仙骨理論パート1より抜粋致します。
皆様の身体に当てはまる内容があり、なぜ自分の体型なのかがわかりやすいと思います。
最後まで宜しくお願いします。
それでは「仙骨の変位を起こさせる直接の原因は何か?」ということについて述べましょう。
これがこの本を書く最も大きな動機となったテーマですから、できるだけ分かりやすく、そして詳しく、かつプロの人たちにも参考になるように、情報提供のつもりですべてを公開しようと思います。
何の理由もなく勝手に骨が歪んでいくことはまずありません。骨がズレるには必ず原因があります。
原因の一つは、事故やスポーツ中のアクシデント、階段から落ちて尻餅をついたなどのように、外から来た衝撃や、強い外圧によるものです。
そしてもう一つが、筋肉の慢性的な疲労により、拘縮が骨を歪めていくというパターンです。このどちらも含んでいるものもあります。
したがって仙骨の変位の原因にもそれらがあると見るべきでしょう。仙骨の両脇についている二つの寛骨は、仙腸関節という関節でつながっており、股関節で大腿骨に連結しているのですが、この寛骨が前倒し状態になっている人があまりにも多いのです。
その簡単な例を紹介したのが、図11と図12です。
寛骨の部分が前に倒れると腰椎に大きな力が加わり、それを支えようと腰の周囲の筋肉群に力が入り硬くなります。
腰痛持ちの方はこれによって起こるケースが非常に多く、半数以上の方が諦めるのではないでしょうか?
更にひどい場合は、図12のように、腰椎が階段状にズレる「すべり症」を起こす場合で、まともに歩けなくなった人もいます。
こういう人は、軽い人で下腹が、重症の人はおなか全体が出っ張っきて、どんなにダイエットしてもお腹だけはどうしても痩せません。
胸椎にも異変が起こり、図11では猫背といわれるように背中が丸くなる人や、首の後ろが盛り上がって筋肉の塊ができる人がいます。
図12では逆に背中の曲線が消え、平べったくなり、胸もずんぐり状態です。このような人の背中は異常なほど硬く、普通のマッサージは殆ど効きません。
もちろん肩もずいぶん前に突っ込んでいます。したがって気管支や肺が弱点です。
図11の場合、頚椎の前面部分が緊張し、パセドー氏病のように甲状腺の異状をきたす要因にもなりかねません。
また首を前に突き出すような姿勢を取るため、顎が出ているように見えます
図12の場合では首の後ろが異常に硬かったり、首から肩にかけて強い痛みを伴う「凝り」を感じたりします。また強い頭痛持ちであったり、目の奥がえぐられるような痛みを持つ人もいます。だいぶ重症の人です。
女性の場合、かなり太っていることが多いようです。そのうえ、乳房も大きいため骨格の状態がよく分からないことがしばしばで、てこずる人の一人です。
仙骨理論パート1 鶴田 聡 著 P171より
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