時はどんどん過ぎてゆきます。
貴方が消えてから もう二月も経ちました。
他人は、何も知らない他人達は、
貴方をいろんな色に染めあげて、
口のきけない貴方を、まるで白布のように扱い、
体のない貴方を、ずたずたに切り刻んでいます。
時はどんどん過ぎてゆきます。
少しずつ 貴方の影がうすらいできました。
他人は、貴方を汚した他人達は、
あっという間に忘却のかなたに、
おもちゃのようにもて遊んで捨ててゆきます。
この世にいない貴方を、尊うことはせずに。
時はますます過ぎてゆきます。
私の心も少しずつ、貴方を隅へと追いやります。
けれども。
私は忘れない。
同じ時代を生きてきた貴方を。