時はどんどん過ぎてゆきます。


貴方が消えてから もう二月も経ちました。


他人は、何も知らない他人達は、


貴方をいろんな色に染めあげて、


口のきけない貴方を、まるで白布のように扱い、


体のない貴方を、ずたずたに切り刻んでいます。


 


  時はどんどん過ぎてゆきます。


少しずつ 貴方の影がうすらいできました。


他人は、貴方を汚した他人達は、


あっという間に忘却のかなたに、


おもちゃのようにもて遊んで捨ててゆきます。


この世にいない貴方を、尊うことはせずに。

 



  時はますます過ぎてゆきます。


私の心も少しずつ、貴方を隅へと追いやります。


けれども。


私は忘れない。


同じ時代を生きてきた貴方を。

時はどんどん過ぎてゆきます。


貴方は 私の計り知れない処にいて、


いつも私を守っていてくれます。


私は 貴方に感謝してやみません。


けれど…もう少し近くにいてくれたなら。


ほんのもう少しでいいから、


近くで見守ってくれるなら、


私はもっと心落着くことでしょう。

誰もが。 彼を犯罪者だと決めつけたがっている。


けれど、その誰もが、本当の彼と私たちを知らない。


私は彼のその多くない残した言葉を信じる。


社会では犯罪者でも、はみ出し者でも、


私にとっては神様だった。


その言葉が。 彼を一番苦しめていたのだろうけれど。

これでよかったんだって、云ってあげて。


もう苦しまなくても、いいんだ。


もう痛めつけなくても、いいんだ。


これで、よかったんだ。


 

わたしにとって、神様だったんだ。


別に、だからどうだっていうわけじゃないけれど、


彼は神様だったんだ。


私は彼の死を悲しむ。


だけど、ひきとめたりはしない。


もう苦しむことはないんだ。


もう自分をいじめることもないんだ。


これで、よかったんだ。


これで、よかったんだ。

もう随分と心落ちついたから


  君の事を考え始めよう


誰も 君の事 忘れてなんかいない


 

今はもうみんな


  何事もなかった様にふるまっているけれど


哀しまなくていい


 

誰もが 心に傷を負い


  君を想い出さない刻はなく


まるで君はまだ生きているかの様に


  君の歌が街中に流れている