幼稚園の頃だった
私の幼なじみの男の子と
神戸のルミナリエへ行った。
(もちろん両方の母親付きで。)
ほとんど初めての満員電車に驚きつつ、
たどり着いた光のゲートは
どこまでも美しかった。
周りがもっとキラキラに見えるようになる
紙で作られたメガネを買ってもらい、
それを目に当てると、辺りはまるで
満点の星空の中へ入り込んだようで
何か異次元の別世界にいるみたいだった
寒い気温の中で見る光は
どうしてあんなにも心に残るのだろう
帰り道、親に屋台で私の大好きな
ベビーカステラを買ってもらい、
電車でその男の子と一緒に食べた。
そのベビーカステラは、
アンパンマンの形のものと、
ドラえもんの形のものがあった。
今もよくある人形カステラというやつだ。
言葉に書くとすごく残酷だけど
アンパンマンの顔と
ドラえもんの顔をちぎって、
ドラえもんの胴体の上に
アンパンマンの顔をくっつけた。
それが面白くて面白くて、
電車の中、２人で始終笑い通した。
笑いすぎてお腹が痛くなったのは
あれが初めてだった記憶がある。
あのときの幸福感は何にも代えられない
ただただ純粋で、
何も着ていない裸の心。
私の大切な想い出のひとつ。