大学時代に通ったライブハウスでは、ピアノの即興演奏を聴く機会がたくさんありました。即興演奏は "improvisation" と言います。まさにその場で作曲を行う創造的な活動です。

 

即興はとても難しそう…… と思っていたのですが、こんな video を見つけました。

 

 

ピアノで一つのコードを弾きます(F major でスタート)。3本の指の形は変えないで、隣の鍵盤に一つずつズラしていきます(F major → G major → A minor を4回ずつ)。

 

その後、左手はコードのままで、右手だけ一音ずつ鳴らします。その時、右手は左手と同じリズムです(=ビデオでは "mirror"という動詞を使っています。ここでは名詞じゃないですよ)。

 

慣れてきたら、左手のコードを崩して、一音ずつ分散和音(アルペジオ)にします。

 

とってもキレイ! 心に響きました。

早速実践…… わたしでも出来た!!! 工夫すれば、色々な即興になります。

 

一方、音楽には「即興曲 "impromptu" 」という分類があります。これは音楽形式にとらわれない自由形式で、心の動きに任せて即興的要素を取り入れた作曲です (Wikipedia) 。一つの楽器によるもので、多くの場合はピアノです。

 

わたしが好きな impromptu は Schubert です (op. 142 no. 3 in B-flat Major) 。 

 

 

この曲を聴く度に、夜に妖精が躍っているような絵が頭に浮かびます。

 

楽譜のある impromptu は、感情や思いを絵に描く感じ。

楽譜のない improvisation は、感情や思いが川のように流れる感じ。

 

どちらも翻訳に似ています。わたしは「作品の各部や全体の絵」を別の言語で再現します。その時、ことば(ターゲット言語)が「川のように流れる」ようにします。

翻訳は音楽です。

 

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