税務署職員 良太の部屋
『ご気分はどうですか?』
知らない男の部屋で目を覚ました時
そこがどこかと言うよりも先に 彼が持っている鍋からあふれる鯛のだしの香りが気になった。
『この時期はわれわれ 税務署職員もそうですが、税理士の先生たちも掛け持ちで大変ですから
さっき病院で栄養があって消化の良いものをと言われたんで鯛のだしのおかゆ作ったんですよ』
『起き上がれそうですか?』
『先生の事務所には連絡してありますから』
断片的に入ってきた彼の言葉に
ああ・・・そうだ確定申告の時期の税務署の臨時アドバイザーとして嘱託されてた時に俺
ぶっ倒れたんだ。
嘱託されてる時期だっていうのに あのごうつくばり所長に別案件4つも押し付けられた上に
所長の愛人の店の確定申告まで無償でやらされてほとんど寝てなかったんだよな俺。
そんなことを思い出しながら、彼が用意してくれたおかゆを口にした。
すげ~~~うまい。
俺とそんなに年も変わらないのに こんなうまいおかゆを作れるなんて。
別れた元妻なんて・・・見た目はかわいくてキッチンが似合いそうな女だったのに
作った料理の味は破壊的で・・・。
ああ・・・あまりに不条理。
俺は こんなやさしい味が食べたかったんだ。
ガツガツと食べ始めた俺に。
『今日はここで休んでいってください。』
『明日も確定申告の相談は続きますけど・・・出勤できそうですか?』
今はまだ還付請求だけの時期ですから無理はしなくても手は回りそうですから』
『うん。出勤する。
だけど・・・もうしばらくでいいんだけど俺の事ここにおいてくれない?
お金はちゃんと払うから。』
『そうですね。まだ顔色も悪いし、私も心配ですから
体調が落ち着くまで狭いですがどうぞ
シェアハウスの仲間にも言っておきますよ』
シェアハウス?
そういえば、今は他人同士がいろいろ共有しあって共同生活を都会でするっていう
話を聞いたことがある。
じゃあこれは シェアハウスの誰かが作ったと言う可能性もあるのか?
それが女の子だったら。
俺はその人を嫁にしてもいい。
『このおかゆ 美味しかった。
作った人にお礼が言いたい。あ、もちろん介抱してくれた・・・えっと』
『私は 田村良太 良さんってここでは呼ばれてます
じゃあ、作ってくれた 蛯(えび)ちゃんにも伝えておきますね。
蛯(えび)ちゃん、スポーツクラブのインストラクターなんで、作ってまたトレーニングに行っちゃったんで。』
エビちゃんっていうのか・・・。
スポーツクラブのインストラクター。
引きしまったストイックな すてきな女性なんだろうなあ…。
俺はかわいい エビちゃんを想像しながら また深い眠りについた。
そして・・・目覚めた朝、
シェアハウスのみんなで朝食をとると言うので参加させてもらった。
目の前に・・・えびちゃんはいた。
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エビちゃんは 男だった。そしておっさんだった。
エビちゃん(特別出演 蛯名正義さま
)
つづく・・・。
