連続ブログ小説 「吸えない・・・」
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「吸えない・・・」をはじめて読まれる方へ

この物語は、2007年3月(4年前)に、ド素人が思いつきではじめてしまったお話しです。


時代背景が今と若干違うところがございます。

内容自体も、思いつきで書いておりますので、話の前後がかみ合わない箇所等あると思います。

その辺はみなさまの大きな心で温かく受け止めてやってくださいませ。


何度も言いますが、思いつきではじめたお話です。

実際のところ、今後どのような展開で話が進んで行くのかも考えておりません。

本当に完結できるかもわかりません。

それと、第1話からお読みいただくと、話の内容がよくわかるシステムです。(だいたいはそうだね)

最新話が一番上に来るような作りですので気を付けてくださいませ。


そういった事を全部飲み込んでいただいてからお読みいただくとイライラしないですみますね。


なかなか更新できないとは思いますが応援の程、よろしくお願い致します。

「吸えない・・・」 第16話

大人になって、両親の前でこんなにも泣くのは初めてだろう。

抱えていたモノを吐き出すかのように、しばらく泣き続けていた。

両親は何も言わず、温かく見守ってくれていた。


「雄二、こっちに座りなさい。」

俺が泣き止むのを見計らって、父が声をかける。

「ごめんなさい。お母さん心配せちゃったね。」

母は涙声で言った。

「いや、違うんだ・・」

そう言って俺は、今までの事を全て両親に話し始めた。


タバコが吸おうとしても吸えない事。

美紀の事。

今日の会社での事。

そして、俺のせいで母が倒れてしまったのではないか、という事・・・


話終えると、父は少し驚いた様子でタバコや灰皿を片付け始めた。

母は黙って遠くを見ていた。

少し間があって、母が話し始めた。

「この間ね、美紀ちゃんと光一くんがお見舞いに来てくれたの。あの娘いい子ね。」

「その時、美紀ちゃんからその話ちょっとだけ聞かせてもらったのよ。」

俺は、光一と美紀が見舞いに行ったことすら知らなかった。

「もしかして、その話って・・」

「そう、あなたが今言ったこと。全部じゃないけどね。」

そう言って母は立ち上がり、押入れから小さな箱のようなものを取り出した。

「お父さん、もう話してもいいですね?」

父は母の決意のようなものを感じ、静かに頷いた。

「母さんね、美紀ちゃんの話聞いて、あなたは守られていると思ったの。」

母はそう言って、小さな箱から赤ちゃんの洋服と1枚の写真を取り出した。

「あなた、タバコを吸いたかったのに吸えなかったんでしょ?」

「それはね、あなたにどうにか吸わないよう助けてもらっていたのよ。」

「え?どういうことなの母さん!」

母は、写真を俺に見せた。

「この赤ちゃんね、あなたのお兄ちゃんなのよ。」

お兄ちゃん?俺は一人っ子だ。

まだ事態が飲み込めていない。

写真には、まだ生まれたばかりの赤ちゃんと母さんが写っていた。

「・・・お兄ちゃんて、話が全然わかんないよ。」

母は、赤ちゃんの洋服を手に取り話始めた。

「この子ね、生まれて間もなく居なくなってしまったの・・・」

「い、居なくなったって、死んじゃったってこと?」


母の話を聞くと、その赤ちゃんは未熟児だったようで、

母と対面してすぐに保護器に移されたそうだ。

そして、その何時間後かに、保護器に赤ちゃんが居ないことに気付き、

病院中を探したが見つからず、誰かが赤ちゃんを連れて行ったということになったそうだ。

母は泣き崩れ、父も病院側に何度も訴え続けたが、解決の糸口が見えず、今に至るそうだ。

この洋服も着せようと準備していた物のようで、写真も生まれてすぐに撮ったものであった。

母は、今でもその赤ちゃんは生き続けていると信じているのだ。


「今まで黙っていてごめんなさい・・」

母は、涙ながらに頭を下げた。

父も写真を手に取り、感慨深い様子であった。

「母さん、謝らないでよ!母さんが悪い訳じゃないじゃない!」

俺は初めて聞かされた「兄の存在」に驚いた。

そして同時に、その時の両親の想いを感じ、切ない気持ちになった。

また涙がこぼれ出した。


四日目、つづく。

「吸えない・・・」 第15話

俺は行くあてもなく街を歩いていた。

車を飛び出してから、この場所までの記憶があまりない。
ただ、吸いたさが極限にきているのは確かだ。
このままではいけないとは思っても、体がそれを求める。
俺は何度もタバコの自動販売機の前に立ち止まり、
美紀の言葉を思い出しその場を離れる、その繰り返しであった。

携帯電話には、会社からの電話が何回もかかってきている。
それに出る勇気すらもなかった。

俺は時間をかけて自宅まで戻ってきていた。
家に上がりリビングに入ると、父さんが吸ったタバコの吸殻と残り香が残っている。
耐えられず、急いで自分の部屋に戻ろうとすると、玄関の開く音がした。
父と母であった。
「あれ?裕二どうしたんだ?」
俺の居ることに父は驚いている。
「母さん、今日退院できることになったんだ。おい、荷物持ってくれ。」
俺が家に居る理由も聞かず、父は言った。
「裕二、あなたやつれたんじゃない?」
ニコッと笑ってそう言った。

やつれているのは母の方であった。


リビングに入った母は、ゆっくりとソファーに座り

「やっぱり家は落ち着くわね・・」

母は伸びをしながら、かぼそい声でそう言った

「あらお父さん、タバコ・・・また止めれなかったみたいね?」

その時、家の電話が鳴った。

「あぁ、俺が出るよ。」

父が逃げるかのように電話に出た。


「雄二、会社から電話だ。」

「あ、そう。」

俺が電話に出ようと立ち上がると、

「今は具合が悪くて寝ていると言って、もう切ったよ。」

父は俺になにかあったのを見抜いていたかのようだった。

「ごめん、明日はちゃんと行くから・・」

俺が二階に行こうとすると、母が呼び止めた。

「雄二、どうしたの?何があったか話せない?」

「雄二、あんまり母さんに心配かけるようなことするなよな。」

そう言って、タバコに火を着け、大きく煙を吐き出した。

それを見た瞬間、俺はスイッチが入ったかのように涙が吹き出した。

そして、しゃがみ込み泣き崩れた。


四日目、つづく。

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