今回は、「鉱物油と植物油」についてお話ししたいと思います。
「鉱物油不使用」という表示を無添加化粧品やオーガニック化粧品その他のコスメで
目にされることがあるかと思います。
鉱物油と聞きますと、悪いイメージがありますが、決してそうではありません。
下記に書く通り、状況に合わせて使えば優れた長所を持つものです。
ただし、その性質上、ブルークレールでは、鉱物油を使うことは一切いたしません。
鉱物油とは、ミネラルオイルともいい、石油を精製して得られる油のことです。
元々、原油を発見した際に、ゼリー状のものを見つけ、怪我をしたところに塗ってみたら
傷の治りが早くなったことがあり、のちにそれは「ワセリン(ヴァセリン)」という名前が
付けられました。このワセリンも鉱物油です。
特徴としては、動植物由来の油よりも、吸収されにくく皮膜をつくりやすいため、
マッサージオイルやベビーオイルにも使われています。
その他の鉱物油の長所として、酸化しにくい・アレルギー反応を起こしにくいということなどがあります。
ジョンソンアンドジョンソンに使用されているベビーオイルにもミネラルオイルが主流であるのは、
小さくて影響を受けやすいとても繊細な赤ちゃんのお肌と身体にオイルや含有される成分を浸透
させすぎず、表面を守る事が理由です。
化粧品に使用する鉱物油には、「ミネラルオイル」「マイクロクリスタリンワックス」「セレシン」などの
種類があります。流動パラフィンも鉱物油の一種です。
鉱物油は、口紅の成分によく含まれ色落ちもしにくい性質があります。
ですが、気をつけたい点として、口紅は長い時間化粧品が粘膜に付着している状態であるため、
唇が油やけしやすくなると言われています。
鉱物油を成分に含む化粧品を使用する際は、化粧落としをしっかりすることがとても重要です。
次に植物油のご説明です。
植物油とは、植物の木の実、種を搾って(しぼって)得られるオイルです。
皆さんが良く知っていて、ブルークレールも使用しているホホバオイル、シア脂はもちろん、
オリーブ油、アーモンド油、アルガンオイル、ローズヒップオイル、アボガド油、胡麻油、
カカオ油、椿油、亜麻仁油
植物油の長所は、まさに天然に存在する植物由来である優しさですが、その他の詳細の長所として
◆ 分子量が少ないために、お肌に浸透しやすい。
◆ 肌を密封しすぎない。お肌を甘やかしすぎない。
◆ ビタミン、ミネラル、抗酸化物質(フィトケミカル)を豊富に含む。
などがあります。
◆ 分子量が少ないために、お肌に浸透しやすい。
意外に知られていませんが、植物油は全般的に分子量が低く、お肌に浸透しやすいのです。
例えば茶実油(お茶の実から圧搾したオイル)の分子量は、あくまで参考値ですが800~900と言われ、
十分にお肌に浸透しやすい低分子量です。
この特徴を生かし、アロマテラピーなどの施術が植物オイルを使い、なされています。
多くの基礎化粧品も、もちろんブルークレールを含め、コラーゲンやプラセンタなどの肌成分、
数多くの天然ハーブ成分をお肌に浸透させるために、植物オイルは大変適しています。
また、クレンジングやフェイシャル・ボディマッサージにも、優良な植物オイルは大変適しています。
◆ 肌を密封しすぎない。お肌を甘やかしすぎない。
植物オイルは、鉱物油と異なり、お肌を密封しすぎません。
お肌に被膜を作りすぎませんので、お肌を甘やかさず、適度にお肌を守り、同時に有効成分をお肌深くに
届けます。
◆ ビタミン、ミネラル、抗酸化物質(フィトケミカル)を豊富に含む。
植物オイルは、それ自体が豊富なビタミン、ミネラル、そして抗酸化物質(フィトケミカル)を含みます。
例えば、ホホバオイルは、雨量の非常に少ない、日光の大変激しいサバンナ地帯の樹木の実のオイルですが、
その激しい紫外線から実を守るため、豊富なビタミンEを含んでいます。
いづれもすべて天然の美容成分であり、お肌に使うことにより、それらが自然な形で無理なく、お肌深くに
浸透していきます。
このように、植物オイルの長所は非常に多くあります。
一方気をつけなくてはいけないのは、酸化です。
この酸化を防ぐには、
◆植物オイルをブレンドで使用する場合、酸化しにくいオイルをメインに使うこと
◆トコフェロールを使うこと
◆「酸化しない」オイルをメインに使うこと
◆冷蔵庫で保存すること
◆1~2ヶ月程度以内に使用すること
などがポイントです。
◆植物オイルをブレンドで使用する場合、酸化しにくいオイルをメインに使うこと
植物オイルをブレンドで使用する場合、酸化しにくいオイルをメインに使うことが大切です。
酸化しにくいオイルとしては、植物オイルには、ビタミンEを多く含むホホバ油、コメヌカ油、小麦胚芽油
等があり、ホホバをメインに使い、コメヌカ油を5%程度配合すると、かなり酸化しにくいオイルになります。
◆トコフェロールを使うこと
天然のビタミンEであるトコフェロールを配合することにより、かなりオイルの酸化を長引かせることが出来ます。
◆「酸化しない」オイルをメインに使うこと
できることなら、深海ざめの肝油である「スクワラン」を使うことをおすすめします。
このスクワランは、ほぼ酸化をしないと言われており、また何より素晴らしいのは、人間の肌にはもともと
5~10%のスクワレンが含まれており、そのスクワレンを酸化しにくいように処理したものがスクワランなのです。
お肌に優しく、美容とハリのあるお肌に素晴らしい働きがあると言われています。
このスクワランにつきましては、次回にご紹介したいと思います。
◆冷蔵庫で保存すること
使わない間は、冷蔵庫で保存することをおすすめします。
ホホバオイルの融点は低いですので、冷蔵庫に入れると固まります。
毎回溶けるまで待つのは面倒かもしれませんが、オイルの品質を守るためにとても大切です。
うまくブレンドし、冷蔵庫に入れても固まらないオイルをおつくりいただくこともおすすめです。
◆1~2ヶ月程度以内に使用すること
トコフェロールを配合し、酸化しにくいオイルを使い、冷蔵庫で保存しても、できれば1ヶ月程度で
使いきることがおすすめです。
良いところ、そして注意点に気をつければ、元々油分を含む人のお肌にオイルに親和性が高く、
美容に素晴らしいものです。
上手にオイルを使い、よりきれいなお肌をはぐくんでいきましょう。
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