花組全国ツアー『哀しみのコルドバ』『Cool Beast!!』 | 水色の風

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2021年 花組全国ツアー神奈川県民ホール

 

『哀しみのコルドバ』『Cool Beast!!』

 

 

哀しみのコルドバ

配役

エリオ・サルバドール:柚香 光

エバ・シルベストル:星風 まどか

マルーカ:美穂 圭子

マリア:高翔 みず希

パウラ:鞠花 ゆめ

アントン・ナバロ:和海 しょう

リサ:華雅 りりか

バロ【祭りの歌手】:羽立 光来

フェリーペ・マルティン:優波 慧

リカルド・ロメロ:永久輝 せあ

メリッサ:春妃 うらら

ラチェ【祭りの歌手】:若草 萌香

エルビラ:凛乃 しづか

アルバロ【闘牛士】:高峰 潤

アンフェリータ・ナバロ:音 くり寿

ビセント・ロペス:聖乃 あすか

ペペ【闘牛士】:泉 まいら

セバスチャン伯爵:一之瀬 航季

シャンタ【祭りの歌手】:咲乃 深音

バシリオ【闘牛士】:愛乃 一真

マノレッテ【闘牛士】:芹尚 英

パコ【闘牛士】:太凰 旬

マリオ【闘牛士】:天城 れいん

ソニア:美羽 愛

 

 

初演・星組 1985年

峰さを理、湖条れいか、南風まい

 

花組 1995年

安寿ミラ、森奈みはる、純名りさ

 

花組 2009年

真飛聖、桜乃彩音、桜一花

 

雪組 2015年

早霧せいな、咲妃みゆ、星乃あんり

 

 

 

初演から36年と言う歳月が流れて再びコルドバが再演された。

 

初演の星組は私にとっては特別な公演だった。

 

この作品がなかったら私は宝塚ファンを続けていなかっただろう。

 

再演は何度かされたが初演を超える作品には出会っていない。それは当時星組生徒の為の当て書きで作られた脚本であることが大きいと思う。

 

そんな中でも雪組早霧&咲妃コンビのコルドバは当時の峰&湖条コンビより若く感じられたが、それはそれで若さゆえに「愛のため死を選ぶ」と言う決断に至った経過もよく伝わってきて良かった。

 

 

でもその他配役を当日の花組メンバーと比較しようと思ったけど、なんと雪組メンバーはトップコンビ以外全く記憶になかった。ガーン

 

あとで調べてみると、ロメロ 望海風斗、ビセント彩風咲奈、フェリーぺ 永久輝せあ、今をときめく立派なスターメンバーだった。このメンバーだと知ってもなお何の印象も思い出せない。う〜むあせる

 

 

それだけ印象が薄かったのか?

 

 

 

 

今回のトップコンビも雪組と同じように若さ溢れるメンバーで勢いがあった。

 

私の中で苦手意識の強かったまどかちゃんは、一番の課題だった台詞回しがベタベタしたブリッコ口調から大人っぽい言い方がだいぶできるようになっていた。

 

最後に見たのはオーシャンズ11だったからあれから少し大人になって成長したってこと?伊達に長年トップはやっていなかった。その点で少し安堵した。

 

セリフのひと言ひと言を取り上げると、その言い方は違う、それでは余韻がなさすぎるとか、文句言いたくなるのをグッと堪えて、それ以上は望んではいけないことだと自らに言い聞かせる。

 

柚香光さんはエリオそのものだった。エバを愛する喜びも苦悩も迸るように演じる。前回の全ツー「メランコリックジゴロ」から時が流れ、トップになり一回り大きくなった余裕さえ感じられた。

 

 

永久輝さんは台詞が弱く感じるのはやはり課題はその声だと思う。女役の時が違和感ない声質も男役では太さが足りない。

 

 

そんなところがお芝居がイマイチと捉えられるところがあるのかも。

 

折角見た目は宝塚の男役の為に生まれてきたような美貌とスタイルを持ち合わせているのに、なぜか伸び悩んでいると言うか、若さ特有の弾け感もない。

 

最近の若者は大人しい?のか?

 

そこが勿体無いと思う。VISAガールになって花組に組み替えになり、二番手で行くのかと思いきや聖乃あすかさんにも並ばれてしまいそうな頼りなさ…ショボーン

 

 

本来はあの時点でパッと花開き、よりスターの輝きを増し、押しも押されぬ二番手スターになるのではなかったのか?そう思っていたけど…

 

花組はそんなに甘くはなく、また永久輝さんに他を蹴散らすほどの勢いがなかったと言うところか?

 

 

本人の考え方意識が今ひとつ固まっていない気がする。意識の持ち方ひとつで見え方も絶対変わると私は思っている。

 

今は花開く時期が見えていないような、観ているとなにか霧のようなものが永久輝さんを囲んで遮っているような、モヤモヤした歯痒さを感じてしまう。

 

 

花組に来たからにはその位置に甘んじていてはいけない!もっと高みを目指す気持ちをもって舞台に立って欲しい。

 

 

聖乃さんはフェリーぺかと思いきや優波さんと反対の配役だった。聖乃さんはビセントとしてしっかり役作りしていたが優波さんのフェリーぺはイマイチ存在感がなく私としてはやはり反対の方が良かったかも?と思わないでもなかった。

 

フェリーぺがこんなに存在感の薄い役だったかと驚きでもあった。この役はただ出てきて佇んでいる場面もあり、それだけで存在を出すのは年季のない人には難しい役だったのか?

 

フェリーぺの存在感が薄い為アンフェリータへの言葉も唐突に感じられてしまう。

 

台詞がなくてもそこに込められた想いを秘めて、立たなければ次の展開につながっていかないのだとつくづく感じさせられた。

 

 

再演は誰か一人だけが当てはまっても他の人が演じきれなければ成功しない。

 

柴田作品を作品の骨格がしっかりして人気や観ごたえがあるからと言って、これ以上切り売りすることは、やめて欲しい。

 

その配役をこなせる人たちが揃ったときにして欲しいけど、それは無理!永遠に訪れることがないだろう。