水原氏の違法賭博問題については、これまでいくつもの不可解な点がありました。
なぜ、水原氏と球団広報による発言(大谷選手が借金を肩代わりをしたという内容)が一夜にして変化したのか。
どのようにして、水原氏が大谷選手の口座から大金を賭博業者に送金したのか。
なぜ、会計事務所が多額の送金をチェックしていなかったのか。
なぜ、水原氏を異国の韓国で解雇して、消息不明になったのか。
これらの不可解な点が整合性をもって説明されない限り、大谷選手への疑惑も消えないだろうと思っていました。
ところが、FBIの操作で判明した事実は、大谷選手への疑惑を払拭するというレベルを遥かに超えて、想像を絶する水原氏の犯罪行為でした。
水原氏は2021年から19000回も違法賭博を繰り返し、280億円を賭け、62億円の損失を出し、大谷選手の口座から24億5000万円を無断で送金していました。
大谷選手の個人口座を水原氏が管理していて、銀行からの確認電話にも大谷選手を装って対応し、振り込み確認用のメールアドレスも偽装アドレスを使っていました。
会計事務所の調査も、大谷選手に気づかれないように自分一人で対応し、偽った内容を話していました。
そして、メディアの追及に対しても完全な嘘をでっち上げ、ドジャースの広報も騙していたのです。
さすがに、ここまで水原氏が悪質だとは、私も想像していませんでした。
大谷選手が365日、クリスマスまで一緒に過ごし、全幅の信頼を置いていた人物ですから、良い人だろうというバイアスがかかっていました。
大谷選手のスポンサー利権は巨額ですから、何らかの大人の事情もあるのかもしれないと考えていました。
でも、水原氏がここまで悪質であるならば、大谷選手は真っ白であり、完全なる被害者ということになります。
大谷選手は、家族のように信頼していた人に何年にも渡って大金を奪われ続け、信頼を裏切られ、なおかつ自分まで世間に疑われるような状況に陥れられたのです。
通常は、極度の人間不振になり、立ち直ることはできないでしょう。
もはや誰も信用することができなくなり、精神的に病んでしまうでしょう。
信頼の損失、お金の損失、社会的な名誉の損失で、三重苦です。
それでも野球をプレーし続けているのですから、大変な精神力ですね。
水原氏の犯罪行為ですが、人間というのは、精神的に追い詰められたら、ここまで悪質なことをするのだなと認識を新たにしました。
ギャンブル依存症というレベルではないと思います。
依存症も怖いですが、それ以上に、何か強烈な負の感情に支配されていたのではないでしょうか。
たとえば、大谷選手に対する愛憎、嫉妬心、劣等感など。
そうでなければ、大谷選手の個人口座から25億円を奪うとか、大谷選手を騙し続けるとか、できないと思いますが。
いずれにせよ、光が強くなれば、影も強くなるということで、その影の象徴として、水原氏の犯罪が生じたのかもしれません。
逆に言えば、今回の事件で、大谷選手は強烈な影に飲み込まれそうになったのですから、それだけ強烈な光を発する存在になっていくのだろうと思います。
影が強くなれば、さらに光も強くなるのです。