彼女は
荒れ果てた世界に
身を置いていた。

孤独と絶望が
彼女の心を蝕んでいた。

誰もが失った誇りを
求めてさまよう中
彼女はただひとり
心の奥に秘めた強い意志を
抱きしめていた。


人間は
誇りを持って生きることが
できないときには
誇らしげに死ぬべきである。

彼女は
そんな言葉を
耳にしたことがあった。

しかし
彼女はその極端な考え方に
反発した。

自分が生きている限り
希望を捨てることはできないと。

彼女は
生きることの意味を
見出すために日々奮闘した。

絶望の中でさえ
切ない思いを抱きながらも
彼女は前を向いた。

孤独な旅の中で
彼女は自分自身と向き合い
内なる強さを見出していった。


そしてある日
彼女は太陽が昇る頃に
静かに息を引き取った。

しかし
彼女の顔には静かな誇りが
宿っていた。

人間は希望を失ったときこそ
その内なる強さを示すべきだと
彼女は世界に訴えかけたかのように。


神咲 みずほ