私たちは、患者さまが本当に                           
求めていることに応えているだろうか

病と闘う、苦しさ、孤独は
何をもって埋められるだろう・・

私は、その答えを解らないまま
 その心のそばにいたい・・
生きている今を
どうか、あなたらしく生きられますように

そう願いながら、
看護を模索してきたように思います

患者さまから学なばせて頂いたことを
お伝えすることが
懸命に生きたひとへの感謝となり
看護への思いを実践していく勇気になると信じて

一井みづほ
 
 
 
今日も、あなたの声を待っている患者さんがいます🤗
 
 
療養病棟のほとんどの患者さまは
寝たきりの状態で
80歳を超えたご高齢の患者さま
 
身体介護や、痰の吸引、
経管栄養などの医療的ケアを必要とするため
🏡家や施設で暮らすことが難しい事情があります
 
 
🏥病院は、施設🌱と違って
検査や入浴の時以外は、ベットから離れることがなく
ほとんどの患者さまは
天井を見上げて
ベットで毎日を過ごしている
 
 
今は、コロナ禍で面会も禁止されているから
会話をするのは、病棟の看護スタッフとだけ。
 
ある窓際のベットで、気の良さそうな笑顔を讃えているおばあちゃんのOO さん
ある窓際のベットに入院している
気の良さそうな笑顔を讃える
おばあちゃんのOOさんは、
いつも、窓の方を
幸せそうな笑みで見上げている。
 
 
すりガラスのその窓からは、空は見えない。
 
でも、すりガラスの窓から差し込む日差しの方を
 
ニコッとした可愛い笑顔で
 
いつも見上げている
 
・・*・・*・・
 
そばに行くと、
「餅つきの用意できたかいね?」という
 
「そこに餅米あるやろ?
できたかいね?」
「餅!餅よお」
 
OOさんが指差す病室の床頭台には、
もちろん餅米の用意はない
 
私は
「お餅つきたいの?」
それとも
「お餅、食べたいんですか?」
何度か聞いていくと
 
 
ニコニコしながら
「 餅、お父さんに
お供えせなあかんから ✨」
という
 
 
「そうかあ・・お供えしたいんですね。
お供え🙏、したいよね 😊 」
 
よく働いたような OOさんの手を取ってそう言うと
 
「餅、好きやったから」
また、愛嬌のある笑顔で答えてくれた
 
 
「お父さん、お餅好きだったんだ・・
そうなんですね。
 
OOさん、
お父さんにいつも、
お餅作ってあげてたんですか?」
 
「うん!作ってたよ。
私も好きやから、餅 」
と、
 
今度は、はにかんだ笑みを浮かべて言う
 
 
「 OOさん、お父さん思いやね。
大好きだったんですね 」
 
「 うん。優しかったから 😊」
 
「 そう!いいですね!
優しい人だったんだ。
いい旦那様で良かったですね 😊」
 
 
「うん。真面目!
優しい人やった!🤗」
 
今度はちょっと自慢げな顔で話してくれる
 
 
そしてまた、窓の方を見上げる
「 OOさん、
窓の外が見たいんですか?
ちょっと寒いかも知れないけど
少し、開けてみましょうか? 」
 
と聞くと
 
首を振って
愛嬌のある笑みを讃えながら
 
 
「お父さん、迎えに来てくれんかなあ・・と思って」
 
と窓の日差しを見上げながら答えた
 
そして
 
「もう、こんなで情けないし・・」
 
自分の体に視線を流して
ぽつりと言った
 
・・・・
 
私は、思わず目頭が熱くなった・・😔
 
そうだったんだ・・
 
OOさんが、いつも
窓の方を幸せそうに見上げている時
 
OOさんは
亡くなったご主人の優しさを
思い出しながら
 
「 迎えに来てくれんかなあ・・」って
思ってたのか
 
・・💧
 
 
「 こんな体で情けないから 」と
ぽつりと言った想いは・・
毎回定期的にオムツを変えてもらい、
着替えてもらい、
療養病棟では当たり前のように行なっている
そのケアは・・
ただただベットに寝ていることが
ほとんどの
そこで繰り返している
日々の暮らし
 
ずっと、
情けない・・という思いでいたのか
私はまた、OOさんの手を取って
 
「 OOさん・・
お父さん、きっと
『ずっと思ってくれてて
ありがとう!』
って
言ってるでしょうね 」😊
 
そう言うと
 
OOさんは
嬉しそうに、
こっくりとうなずいた。
 
それからも
 
OOさんは、暮らしてきた昔のことを聞くと
懐かしそうに、
子育てが大変だったこと
ご主人は真面目で、仕事一生懸命だったこと
 
断片的ではあるが
次々と思い出して
懐かしそうに話だす
 
愛着のある自分が生きてきた暮らし🏡😊
 
「もうちょっと居てよ」
 
私の手をしっかり握ったまま
話し続けてくれた
・・
そしてまた、
「 餅、もうお供えできる?
できたやろ 」
 
OOさんの頭の中では
餅を作る段取りが進んでいる😇💪
 
「 😊
出来上がったら
お供えさせてもらっていいですか 」
そう言うと
OO さんは
 
「うんうん😊」と
満面の笑みで
うなずいて得心された
・・**・・・**・・
 
部屋から出ると
通りかかった若い看護師さんが
「朝からずっと、餅!餅!って言ってるんですよね」
「もうすぐお昼ご飯だけど、
餅は出ませんからね・・😥」
困ったように言う
 
 
私も新人の頃はそうだった
病院にない物を一生懸命訴えられると
無いと言うのは簡単だけど
ご本人は思い描いていて
あるはずだと思いこんで訴えているので
堂々巡りになってしまう
 
何より、
『がっかりさせてしまっていいのだろうか?』と
どう対応していいか解らず
答えを探していた(>_<)
 
・・・
 
いいんだよ😊
ね!
立ち止まって
聴いてあげるだけで・・💓
声をかけて寄り添うだけで✨
 
 
記憶の断片は、多くの言葉で伝えられない
「餅!餅!」と言っているだけだから
何を思って言っているのか
伝わりにくい
 
でも
 
「食べたいの?」
「ほしいのかな?」
「お餅、好きなの?」と
 
ゆっくり語りかけていくと
 
『 お供えしたい 🙏💞』
 
という思いが
現れてくる
 
・・**・・・**・・
 
OOさんが、
ここで生きている今を
もっともっと幸せに思える毎日に
 
 
まだまだ、
私たちには、できることがある 💖
 
 
今日も、
あなたの声を待っている患者さんがいます💞🤗
・・**・・・**・・
 
「ナースになりたい」と思った日を
忘れないでほしいから✨💕
 
いろいろな職場風土や現状との葛藤がある中で、
見失いたくないもの、最優先すべきもの、
「患者さまが求めていることに、
私たちは応えているだろうか・・」
ということ。
 
どんな状況や病状でも、
患者さまのそばに行けるのは、
私たちナース。
 
私たちは、
病院という環境で闘う患者さまの生き方に触れながら、
患者さまから、
とても尊い時間をいただいている。
 
誰だって、
人生の終の住処を病院で・・とは、望まない
でも
動きがとれなくなった体で
どうすることもできない。
 
家族の事情も、ご本人の事情も
ここに居るという選択の現実
 
だからこそ、
私たちは
患者さまの思いに耳を傾ける
 
患者さまに寄り添い
心の通う看護を目指して
 
 

患者さまに

寄り添い続ける優しさと、

ナースになった時の志を
持ち続けられるよう応援したいと思って
このブログを書いています
 
今日も
あなたの声を待っている患者さまがいます
 
今日は
どんな会話をしましたか?
 
患者さまの思いに触れれば触れるほど
 
きっと
 
あなたも笑顔になれる😊
 
この仕事を選んで良かった!
 
患者さまの思いに寄り添った時
 
患者さまが
あなたに
 
「ナースになりたい」と思った日を
思い出させてくれるから
 
✨💕