私たちは、患者さまが本当に                           
求めていることに応えているだろうか

病と闘う、苦しさ、孤独は
何をもって埋められるだろう・・

私は、その答えを解らないまま
 その心のそばにいたい・・
生きている今を
どうか、あなたらしく生きられますように

そう願いながら、
看護を模索してきたように思います

患者さまから学なばせて頂いたことを
お伝えすることが
懸命に生きたひとへの感謝となり
看護への思いを実践していく勇気になると信じて

一井みづほ
 
 
わたしの家に帰りたい(その1)
 

✨🏡 好きな窓辺の風景 🌱🍋 

 

 

患者さまから学んだ患者さまの思い

 

ナースは

患者さまの闘病生活に

医療や看護的な側面から関わりながら

実は、

その方の人生の大切な時間を

共有させていただいている

 

しかし、患者さまの時間は

患者さまのもの

 

私たちの思い込みで奪ってはいけない

 

そのことを教えてくれた患者さま🌱🍋

 

・・✨・・✨・・

 

かれこれもう15、6年ちかく前になるでしょうか

 

難病のために、

人工呼吸器を装着することになった

 

温厚なご主人と

立派に育て上げた娘さんがいる

60歳くらいのお母さん

 

 

人工呼吸器をつけての毎日は

彼女に

普通に会話する自由

体を横にする自由

入院する前は杖歩行だったけど

好きに歩く自由も

なくなった

 

〜・・・*・・・〜

 

 

人工呼吸器での状態が安定してきた頃

 

まだ、当時は、この小さな町では

人工呼吸器をつけて在宅で暮らしている人はいない

24時間対応で往診してくれるところも

定かではなかった

今のようなレスパイト入院制度もない

 

 

人工呼吸器をつけている患者さまは

何人も、病院に入院していたが

皆、

その入院は、何年にも及んでいた

 

 

24時間、交代で看護師が継続看護していることを

家庭に持ち帰るのは負担が大きすぎる

家族は、医療従事者ではないし

3交代勤務ではないから

 

高齢化する中で、家族も病院が安心

 

困惑する現実があった

 

 

命を守るために

夜中でも痰がゴロゴロからめば

起きて吸引しないといけない

人工呼吸器の回路に水滴が貯まれば

取り除かなければいけない

呼吸器の蒸留水は切らしていけない

うっかり横を向いて呼吸器の接続が外れないように

呼吸器のアラームが鳴ったら

すぐに、どこのトラブルか確認して

対処しないといけない

等々・・

 

医療従事者ではない家族の人工呼吸器の管理は、

リスクも負担も大きい・・と考えられていた

いや、思い込んでいた

 

 

人工呼吸器の管理を優先して

病院から病院へ・・

転々とする

 

または、ずっとこの病院で・・

 

呼吸器をつけている患者さまは

長年に渡り、病院に入院されていることが

ほとんどだった

 

・・・

 

患者さまの状態は、

気管支から呼吸器をつけている状態ではあっても

意識もはっきりし

血圧や体温などの一般状態も

安定していた

 

医師からは

退院できる状態に落ち着いたから

退院先をご家族と相談して探して

と、退院先の話があった

・・

退院できる状態って

患者さんやご家族からしたら

全くこっちの勝手だ・・!?

 

 

人工呼吸器を装着して

命は助かった!

命が助かったって

すごいことだ!

・・・

でも

この日が来るのは解ってた

そうなんだんだけど

 

辛い話をしなきゃいけない

気持ちは重かった

 

・・・

 

これからどう暮らしていくか

いっしょに考えよう

まずは、

患者さまと一緒に

考えよう・・

いきなり、他の病院へなんて

言えない・・

 

私はそう自分に言い聞かせながら

病室を訪ねた

 

会話はジェスチャーや口の動き

大切な意思表示は

アイウエオ表をなぞってもらって

確かめる

 

・・・・・

 

今日はね

これからのこと

一緒に考えようと思って・・

 

専業主婦だった患者さまは

呼吸器の機械を見つめて、

『そ・れ・で・も・ワ・タ・シ・は、

ワ・タ・シ・の・家・で・

暮・ら・し・た・い・・』

と、涙ぐんで訴えた

 

 

🏡 普通の暮らしに 🌱🍋

幸せを紡いできた

主婦だった彼女だからこそ

 

望んだ選択

 

 

「そうだよね・・

そうだよね。

家に帰りたいよね・・」

 

手を取ってそう言うと

うんうん・・とうなずく

 

「これから先

お父さんも居てくれてるのに

夫婦離れ離れで

ずっと病院が

安心な場所じゃないんだよね😊」

 

彼女はまた

ホッとしたように

こっくり

うなずいた

 

・・✨・・✨・・

 

そして

 

『 家の窓からね

レモンの木が見えるの 』

 

「 へえーっ!レモンの木?

🌱見たことないです 」

と言うと

 

『 可愛い花が 咲くのよ😊‥』

 

🌱🍋

 

と微笑んだ 

 

・・✨・・✨・・

 

『家に帰りたい』を叶えよう!

好きな窓辺の景色を

見に行こう😃✨

 

今の状態のもどかしい悔しさを

命が助かった!✨生きていることの喜びに

変えることができるのは

彼女の好きな窓辺に

帰ることだ!🌱🍋

 

 

彼女の

窓辺の景色を思い出した時の

😊微笑みに

 

私は

なんだかすごく

大きな勇気をもらった

 

・・✨・・✨・・

 

 

・・〜・・〜・・・〜・・〜・・

患者さまの思いや

抱えている暮らしの事情は様々

病気や障害のために抱えている苦痛や

これからの暮らし方の不安

 

どこで、どんなふうに

暮らしていきたいかの希望✨

 

病気や障害によって

自分の力だけでは今までのように

暮らしていけなくなった時、

希望と困難さの中で、

苦しみ、悩みます

 

病院にいるナースだけでは

叶えられない

 

患者さまは

病床で闘病している姿しか知らなかった私に

病院の外の景色を

生き生きと

見せてくれました✨🌱

 

次回、✨ワタシの家に帰りたい(その2)へ続きます

・・✨・・✨・・✨・・✨・・

 

ブログを通して

患者さまの思いを伝えたい

 

どんなに周りが

看護への価値観を

共有しにくい環境であっても

懸命に生きた患者さまから

学んだことは

しっかりと看護に

実践していかなければならない

 

患者さまから頂いた

大切なメッセージを伝えます

 

そして今、

仕事に迷いを感じているナースが

いるならば、

 

共に、患者さまへの思いを

仲間と共有できる力を

持てるように応援したい

 

生きている今を

どうか、あなたらしく

生きられますように

 

nurseがナースで

あるために

愛する道へ行くために

 

・・✨・・✨・・

 

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