【観劇】ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~ | 永遠のチケット

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クリエの最高傑作と言っても良いんじゃないかな。
去年からみてるけど、感想を書いていなかったので。

初演2012年9月
0903 ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~ 14時
0915 ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~ 13時
アンコール公演2013年1月
0106 ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~ 18時

会場は全てシアタークリエ@日比谷

キャストは坂本真綾(ジルージャ)と井上芳雄(足長おじさん、ジャービス)の二人だけのミュージカル。生演奏だから、演奏者の方が人数が多いw(それもオケじゃなくてバンドだけどw)。

まず久々に芳雄くんで、チケット取るのが大変だったー。。
半月くらいなら2人舞台でもクリエ埋めれちゃう芳雄くんかっこいいい><
(ジャニヲタさんにはビックリかもですけど、一人でクリエクラス埋めれる役者って最近ほんとに少ないので)

アンコール公演については、とにかく9月の本公演の評判が良くて、たぶん良過ぎて、なんとか追加をと、無理矢理入れた追加公演が1月の一週間というね。。
また観れて嬉しいし、逆にスケジュール詰まっててしばらくできないってことなのかな~って不安もある。感想でも言いますけど、本当に素晴らしい作品だし、何よりもキャストが良いので、絶対またこの二人で再演して欲しいなって思います。


作品の内容は皆も、原著まではいかなくても、児童文学版やアニメとかで一度は見てる(ストーリーは知ってる)だろう「足ながおじさん」のミュージカル版。
演出家のケアードは原作が孤児院にいた少女(ジルージャ)の日記という形のスタイルなので、一人舞台も考えたということで、舞台も特に前半は少女(真綾さん)の一人芝居で進む。
セットも、あしながおじさんの書斎とジルージャの大学の寮の部屋をイメージした部屋の構造で、全部カントリー調というか、木製。更に小道具としてたくさんの本、散らばったトランクは椅子や机に見立てたり、ベッドに見立てたり、時には階段や丘にもなるのが素敵。

主役のジルージャ役にはマイムを交えて一人で複数のセリフを言ったりするので、美しい旋律を歌う歌唱力のほかに演技力がかなり重要。もちろん、10代から大学卒業までを一人で芝居するので清潔感と可愛らしさも大事。そういう意味では声優でもあり、見た目すっごく若く見える真綾さんは適任でした。むしろ他の女優が浮かばないくらい。
(玲奈ちゃんや聖子ちゃんはもう無理かな~と思うのよね。イメージ的にはちひろとかなら合うかもだけど、小芝居や単独主演という部分において弱いかな~)

ジャービスはダブル主演だけど、どうしても歌もセリフもジルージャよりは少なめ。
ただし、二人ミュージカルなので、メイン曲以外に、ジルージャの曲のハモリをしなければいけなくて、これが上ハモとかもあって。男性だけど、きちんとファルセットで強弱のつけられる歌い手じゃないとだめなので、歌をきちんと習った俳優さんが良いかと。
そして、ただ単に素敵なおじさまではなく、実は卑屈で根性が少し曲がっている30代のおぼっちゃん(品はいい)という役柄をきっちり演じきれないと、二人ミュージカルの面白みは出せない。もちろん当然、足は長いこと(一番重要)。
これも、芳雄くんが30代になったからこそできる役で。将来的には育ちゃんとか、平方くんとかもやれるかもしれないけど、芳雄ほど、ひねくれぼっちゃん臭はないし、やっぱりイメージと違う^^


そんなわけで、二人が役のイメージから大きく外れない限りは可能なかぎり、この二人で再演して欲しい作品。


セットの話で言ったように、場面転換は一度もなく、1つの木製のセットの中にジャービス(足ながおじさん)の書斎の部分とジルージャの部屋&大学の部分がなんとなく分かれていて、そこを見立てで進んで行くので、観ていてストレスがまったくない。
音楽は真綾さんの歌手としての楽曲が好きなら絶対に好きな、カントリーっぽい旋律をジャズバンドアレンジって感じでほんとにどれも美しいし、真綾の声にすごくあってる。
役者の演技力頼りになるが、二人がそれぞれの場面でセリフを掛け合いしたり、お互いの顔を知らない状態で交流が進む、セリフのテンポも秀逸(ジルージャが足ながおじさんのことを「あなたはつるっぱげですか?」と手紙で聞いたりするあたりは相当笑う)。
二人ミュージカルなんだけど、ちゃんとジルージャのルームメイトの二人の女の子や、農園の夫婦、恋敵、孤児院のいじわるなシスターの存在がそこに見えて来るのも脚本の良さと俳優の上手さ。

難しい作品なので、本公演とアンコール公演を両方観たけど、
セリフを噛んだりはアンコールの方がしてた。これは単にほぼ稽古をしてないから。
(スケジュール見るとほとんど稽古なし、リハを数回って感じなので)
でも役に対しての深みみたいなものは増していた。


個人的に2012年度一番の作品はこれだろうなぁって思います。