ペット家族動物病院瑞穂店です。
今日は聴診についての小話を。
下の写真の中で、聴診に適した姿勢はどれでしょう?
※いずれも、獣医師側からみた場合の写真です。
「聴診しますね」とお声かけすると、人間の聴診の時と同じようにAのポーズにしてくださる方、多いのですが、実はBとCが正解なんです。Aは動物の聴診には向きません。
何故でしょう? 理由は2つあります。
理由その① 体勢が不自然
動物は四肢を地面につけて生活しています。地面に対して水平なはずの体を垂直にすれば臓器の位置が変わり、異常な音が聞こえたとき、それが臓器のどの部位から聞こえてくるのか、わかりにくくなってしまうのです。さらに不自然な体勢では腰を痛めてしまう可能性もあります。
理由その② ドキドキする
写真Aのワンちゃん、斜め横に視線が泳いでいるのは、真正面に獣医師がいるからです。よく知らない相手が至近距離で真正面に立っていたら嫌だし、怖いですよね。視線を合わせないことで「敵意はありませんよ、ボクは貴方に構いません、貴方も構わないで下さいねー」と訴えているわけです。当然、心拍数は爆上がりで、小さな異常音はドキドキにかき消され、聴取できなくなります。正面切って向き合うことで、興味津々に挨拶しようとするこ、パニックして大暴れするこもいますが、やはり心拍数は上がってしまい、聴診の精度が落ちてしまいます。
聴診は、落ち着いた状態で行うのがベストです。写真B・Cのように、動物の背中か側面を獣医師に向けるほうが、心拍数は落ち着きやすくなります。聴診器という怪しい物体を構えた獣医師が視界に入るよりは、ご家族の皆さんの姿が見えるほうが、不安感は和らぎます。
また、静止画だと分かりにくいですが、写真Bは癒し係が耳元を「わしゃわしゃっ」とマッサージして、動物をリラックスさせようとしています。診察の際「撫でてあげてください」「声をかけてあげてください」と皆さんにお願いするのも、リラックス効果を狙ってのことです。ぜひ、病院での緊張緩和にご協力お願い致します。
JJ君、今日は聴診モデルのお仕事、お疲れ様でした。