心の安心・1 落書きのすすめ | 九学 || 瑞穂 み すぐり

心の安心・1 落書きのすすめ



3人並んで満月を見ていました。

いい月だねえ。

うん、月を見ていると、心が澄んでくる感じだ。

満月が、やっぱり・・・ね。

そう話しながら歩き出したら、向こうから来た人に話しかけられました。

「大変ぶしつけですが、ご覧になったお月さまの大きさはどれくらいでしたか」

え、お月さまの大きさですか。

ええと、これくらいかな・・・一人は両手をいっぱいに広げています。

私は、これくらいだと感じたな…もう一人は腕で円を造っています。

自分は、これくらい・・・最後の一人は掌でソフトボールの大きさです。

そこで、3人はお互いの顔を見合わせて大いに驚きました。

今まで、一緒にお月さまを見ていたのに、こんなにそれぞれ違う大きさの

お月さまを感じていたなんて。

へ~、驚いたなあ。

質問した人が居なくなったのにも気付かず、お互いに見つめ合いました。



そうなのです。

心が両手をいっぱいに伸ばしていたら、見えるものも大きく見えました。



え、ホント?・・・ホント、ホント、ホントです。 



じゃあ、試しにクレヨンで紙に円の落書きをしてご覧なさい。

しょげている人、円を描くのが辛くないですか。

角、それも鋭角の落書きがしたいでしょう。

心がギシギシ金属的な音を出していますもの。

心がうきうきの人、そんなに大きな円、あら紙からはみ出してしまいましたね。

では、幼稚園児に戻ったつもりになって、皆で落書きをしてみましょう。

心を落ち着かせ、良いアイディアを導くための効果的方法でもあるのです。

心ギシギシ鳴った人の落書きもだんだん角が取れ、きれいな円になりました。

心が落ち着いて元気になれそうですね。

紙に、今の心を映していたら何とも言えない気持ちの楽を感じますでしょう。