震災後人間も変身、自然も変身・1 | 九学 || 瑞穂 み すぐり

震災後人間も変身、自然も変身・1



今年3月11日の震災以来、日本人は変身したようです。

悪い変身、変化と言うものはありませんから、もちろん良く変身しました。

特に感じるのは、社会全体で、個人が個人であることを自覚し始めたこと。

個を自覚したら、生きる哀しさ、恐ろしさ、責任とそして自由も感じます。

従属者ではない独立した個人の自覚から、自分の家族を持ちたくなりました。


世界大戦後、日本女性は車の運転とカラオケの出現で、男性に従う生き方から、

自分の意見を持ち自分で決めて生きる者に大変身したと観察して来ました。

しかし、今回の災害でわかったのは、まだまだ自立し足りていなかった日本人全体が、

はっきり自立を始めたことでした。



今年お正月に感覚を戻して、今の様子を眺め直したら、それが良くわかります。

大地震、大津波、2万に近い人命が失われ、原発の事故により放射能汚染、

500キロにも及ぶ被災地の瓦礫、全てが後手に回った政府の対応のため野菜、

牛肉、海産物、お米、お茶から検出された放射能、体内の内部被爆。

家も家族も職も失い、未だに先の生活の見通しが立たないたくさんの被災者。

お正月に今を見た人は、半年先の光景の恐ろしさに腰を抜かしたでしょう。

お願い、時を止めて、あんな恐ろしい体験はしたくない、未来へ行きたくない!

しかし、幸いになことに、誰にも未来は見えませんでしたから、無邪気にいつも通りに生活し、

災害に出会いました。



TVのインタビューを受けて、最近の日本人は数か月前とは大違い、個人の意見を

しっかり述べているではありませんか。

日本人全体が、しっかり自分を生き、強くなったのだと思います。

自分の命も生活も、自分で護るのが当たり前だと考える様になった日本人。

素晴らしいことだと思いませんか。



人間が強く美しく変身したのなら、自然にも新しい美しさに変身して貰わなければなりません。

日本人の新しい義務、その一つは自然を新しい美しさに育てて行くこと。

今までは中々難しかった、人間の生活と一体になった自然の美しさ。

棚田のような、人間の営みから生まれた美しさをどう育てたら良いでしょう。