天王洲 銀河劇場で、フランク・ワイルドホーンの音楽のミュージカル『カルメン』を観て参りました。
有名なオペラとは、ほぼ関係ございません。

フランク・ワイルドホーンが取り上げるのって、もともとがドラマチックな話で、わりかし自分好みの作品が多いので、また今回も観に行って参りました。

『カルメン』は、これまで何度も映画化されていたりするのだけど、自分が観たのはたぶんビゼーのオペラ曲に、オスカー・ハマースタイン2世が詞をつけて、舞台をアメリカ南部に置き換え、オール黒人キャストにした『カルメン・ジョーンズ』を映画化したものだけ。だったと思う。

そんな私なんですが、今回のミュージカルを観てて、あれ?こんな話だったかなー?などと思いました。
パンフレットを読んだところ、この作品はチェコで初演され、韓国でも上演されてるんだけど、その時は現代を舞台にした『カルメン』をベースにしたオリジナル・ストーリーで、今回の日本版では原作の1830年代のスペインに戻した。ということらしい。

そのせいか、若干、自分がイメージしていたカルメン像とは違うものとなってました。
私の中ではカルメンって、自由のメタファーで、だからみんなが欲しがるのだけれど、誰かのものになってしまった途端に、それはもう、みんなが望むカルメンではなくなってしまう。
完全な自由というものが、人間社会においてはありえないものだから、カルメンも存在できない。
カルメンがカルメンでいるには、誰のものにもならずに死ぬしかない。
みたいな話だと解釈しているとですけど、まーそーいう話にはなっていなかったとゆーことですな。

ワイルドホーン作品って、自分が思い入れ強くなる人が主人公だったりするんだけど、あるところから、自分が思い描くその主人公像からズレてきて、あー自分だったら、この人はこういう風に描きたいなー…とか、そういう風に思うことが多い。
まー、いろいろと考えさせてくれるのも、楽しみの一つです♪


今回出演者は、みなさん歌もお芝居もお上手!
楽曲も一つ一つがいい曲で聞き応えもある!
そーゆう意味では大満足。

けど作品全体としては、途中から長さを感じてきてしまいました。

ワイルドホーン作品で、よく思うのは、曲はどれもいいんだけど、ドラマチックな作品が多いためか、ミュージカル的に楽しいナンバーが少ないというか…。
心情を吐露し歌いあげるナンバーが多い。
そのせいか話の展開が遅くなりがち…。
話が面白い分、別に無理にミュージカルにしなくてもいいんでないか…。
ってなこと。

というわけでワイルドホーン作品は、いつも私にいろんな事を考えさせてくれちゃいます。
んで、また新しい作品を日本でやることがあったら、観に行ってしまう事でしょう…。



余談ですが、ワイルドホーンさん、見た目と業界的に絶対ゲイだ!
と思っていたのに、お子さんがいらしたり、和央ようかさんと再婚されたりで、なかなかショックでした(笑)