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ヘアマニキュアで過ごす日々

おばさん歴、長し。
既婚者で、子供はいない。

この日の夜に、飲み会があった。少人数の集まりで、メンバーは出身高校の同学年卓球部員+α。私は、αに属する。


二年ほど前に、高校の男子同級生と三十年振りの再開を果たし、幹事の彼からの声掛かりで、参加の運びとなった。
この集まりに出掛けることを決めて 、真っ先に行った準備と言えば、ホットペッパービューティーアプリで白髪染めを予約したことだ。何しろ、高校卒業以来初めて会う、同級生もいるであろう。多少の緊張があり、また、老け込んだと思われたくないという見栄からのことである。


ところが、予約した1月5日に神社へ初詣をすることとなり、白髪染めをキャンセルした。予約の取り直しも考えた。
だが、飲み会に出席するためだけに白髪染めをすることの陳腐さも認めてもいて、施術を受けることは諦めることとした。

直近の白髪染めは、ほぼ一ヶ月前の12月1日。髪の根元はキラキラと輝きを放っていた。どのみち、同い年のメンバーだ。見栄を張る必要などない。そう開き直って、染めぬまま出席した。


参加メンバーは、男性五名、女性四名。女性のうち二名は、一人の男性の同伴の妻子であった。さて、メンバーの髪の毛の状況はと言うと、何と、男性群の白髪はチラホラという程度で、量もタップリだ。染めてもいない。羨ましい限りだ。

女性陣は、かの奥様がライトブラウンに染めていらっしゃるようだ。かなり明るい印象だったので、ファッションカラーをお使いなのかも知れない。だとすると、白髪が少ないのだろうか。お嬢様は艶やかな黒髪。もちろんバージンヘアーであろう。私の目に、とても眩しく映った。

そして、もう一人の女性は、おそらく白髪染めを施したばかりかと思われる。地肌が茶色に見えたからだ。ダークブラウンの髪色は、可愛らしい彼女の顔立ちに似合っていた。
黒染めよりも、若さに固執している感じが薄らぐ。私の髪色は今、黒々しい。黒髪に色が反映しないマニキュアだから仕方がないのだが、何だかわざとらしく見えていないだろうか。
熟女の黒髪というのは……。


グレイカラーに心が動きそうになったがしかし、マニキュアで髪と地肌を労ろうと思う。ここから一月が経ち、約二ヶ月振りにマニキュアを施して貰った。伸びた白髪を恥ずかしく思うことより、サロンへ行くことの億劫さが勝ってしまった。


そうして……。また二ヶ月が経った今日である。そろそろ予約をしよう。お得なリタッチカラーのオーダー資格が、なくなりそうだから。