ロボット時代

自由



耳の不自由な彼は
でも
音楽が好きでした

とても繊細に
誰よりも生き生きと
ピアノを弾きました



目の不自由な彼女は
でも
絵が好きでした

自分の触れたものを
心で観たままに
絵を描きました



心の不自由な僕は
でも
普通の顔をして
会社に行きます

今日もみんなに
オハヨウゴザイマス
って､言いました



でも

手がなくったって
君と手を
繋ぎたい

足がなくったって
君と前に
歩き出したいんだ