ライン



ホームへと降りる瞬間

 それは飛び込んできたの


コンクリート色にくすんだ階段

ステンレス色に光る手すり

そこに

真っ赤なベルトのラインが

 とてもきれいだったの


そして

その真っ赤なラインは

 鈍い音をたてながら

  少しつづ私に近付いてくるの


次の瞬間

準急電車の扉が開き

そこから降りてきた

冴えない顔した奴らが

あの真っ赤なラインに沿って

 次々と流れてくるの


あぁ

この工場もいつまで続くのだろうか