100年前はなかった風景

■セイタカアワダチソウが有効活用されているという記事をみました。

セイタカアワダチソウというのは、

いまでは日本全国ほとんどでみられる雑草です。

11月ごろまで黄色い花を咲かせます。

おそらく誰でも見たことがあるはずです。

今では見慣れた風景の一部になっているセイタカアワダチソウですが、ぼくが子供の頃にはめちゃくちゃ嫌われていました。

というのはセイタカアワダチソウは帰化植物（外来種）だからです。

もともと日本になかったのに、

戦後、アメリカから来て、

特に昭和40年代ころから爆発的に繁茂しました。

しかも、その背丈は4メートルを超え、

普通の雑草のレベルではない高さと威圧感を持ってました。

冬を迎えるころになっても、黄色の花を咲かせ続けるセイタカアワダチソウは、

四季の移り変わりを無視し、

その異様な高さと相まって、

日本の景観を損ねると日本の侵略的外来種ワースト100に入るほど不評判だったのです。

しかし、それも過去の話。

今は、布を染めるのに使われたり、

化粧品や薬草としても使われるそうです。

もはや日本に入って定着してから50年以上。

50歳以下の人にとっては、

小さい頃から日常の風景になわけです。

今の子供の世代にとっては、

生まれたときからあって当たり前。

嫌いになる理由もないでしょう。

そして、見逃せないのは、

セイタカアワダチソウのほうも日本の国土に順応したという事実です。

かつて、4.5～3.5メートルもあったセイタカアワダチソウですが、

昨今は１～２メートル程度の高さになっています。

ちゃんと５０年で日本国土に違和感のないサイズになったんです。

外国の異様に背の高い雑草が、

普通になって受け入れられた。

植物でも、

半世紀経てば、

嫌われ者を抜け出して、

有効利用していこうという人達が現れるくらいまで受容が広がるんだなあと思った次第です。

根絶を目指すどころか、

有効利用していこうというほどに馴染んだということに、しみじみと時代の変化を感じました。

ただ、少なくとも１００年前までは、

日本の風景にはセイタカアワダチソウはなかったという事実。

みんながたとえ忘れても、

ぼくはこの事実を覚えておきたいと思います。

競合する植物である日本の原産のすすきは、

逆にアメリカで侵略的外来種として猛威を振るっているそうですｗ。

考えてみると、

すすきの風景のほうが寒々として殺風景ではありますね。

両者痛み分け、ということで。

それではみなさま、さきくませ！！

本日もありがとうございました！

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