そもそも密放流なんてしたところで、その湖(水域)がその種を受け入れる器(自然環境)がなければ、そこに定着もしなければ繁殖もしません。
密放流などしたところで、その労力が無駄になってしまう場合が多いのです。
逆に現在の様な、インフラが整備された状況においては、水系同士が、水路など、水でつながっている状況の為、水路を伝って、生き物は容易に移動します。
また、台風が起これば、洪水が起こり、生き物は、簡単に、一気に、一晩にして、大移動します。
これらが、外来種などが日本全国に拡がった真実です。
ブルーギルなど、釣り人に全く人気のない魚種が日本全国に拡がっている事実が一番の証明です。
密放流ではなく、自然拡散です。
また、外来生物法施行以前は、ペットショップで普通に、ブラックバスやブルーギルを始め、様々な外来種が売られていました。
それらが、日本全国に流通したこと、そして、飼いきれなくなった個体が放されるなども、外来種が拡がった大きな原因です。
では、そもそも日本に元々いなかった魚種、つまり外来種がなぜ日本に存在するのか!?
もちろん、島国である日本には、人の手がなければ入ってくるはずはありません。
空を飛んでくる訳はありませんし、淡水魚が海を泳いでくることも絶対にあり得ません。
それは、
・食用
・釣りの対象魚として
・観賞(ペット)用
・試験的(研究用)
などの目的です。
すべてが我々、人間の欲望(都合)によって、日本に移入された訳です。
また、人間の意図しない形での流入もあります。
・船舶、航空などへの混入
・輸入、輸出などの貿易時における貨物への混入
また、気候変動などによって、飛翔する生き物(ハチやチョウなど)の、分布域の拡大・変動もあるかもしれません。
そうなると、もはや、流入を防ぐのは至難の業です。
もちろん、海外から移入してきた外来の生き物自体に全く罪はありません。
すべての生き物は、食べる・食べられるという、食物連鎖という自然界の掟(法則)の中に生きていて、それが、この世界の現実です。
そして、人間がこれらの外来種を海外から移入するのも、人類の歴史上、必然であり、避けられなかったことです。つまり、人間とは、そういう生き物であり、それを否定することは、人間の存在自体を否定するものです。
外来種=悪であるという理論は、この地球が誕生し、古来からの自然分布のまま、全く移動がされない状態が善ということでしょうか?
そんな状態は全くの理想論であり、現実とは完全に乖離した考え方です。
そして、現在、問題とされている、外来種が在来種を脅かす、つまり、生態系を脅かすなどという、人間が勝手に思い描いたストーリーなど、全くの絵空事であると、現実が証明してくれています。
現在の状態が、壮大な実験結果です。
つまり、外来種=悪などという、現場を全く見ていない人たち、物事を深く考えずに鵜呑みにする人たち、商業主義のマスコミなどのメディアにだまされ続ける人たちによって、創り上げられた妄想に過ぎないのです。
我々、現場の観察者である釣り人以外の人たちには、なかなか理解されずづらい現実ではあるのかもしれませんが、生態学や生物学は奥が深く、現在でも解明されていない事実が多くあります。
増えすぎれば減る、食物連鎖のピラミッドの通り、適正値に落ち着く、など、現在では解明されていない、自然の摂理としか言えない現実がそこにはあります。
上位捕食者は下位の生き物を喰い尽くさない。そんな結果(現実)だけがそこにあります。
上位捕食者が下位の生き物を喰い尽くすのであれば、すべての湖が、上位捕食者のみになってしまいます。
科学は、現場で起こっていることがすべてです。机上の空論など、単なる妄想であり、全く価値を持ちません。
密放流もブラックバス害魚論も、すべてが単なる妄想に過ぎません。