試合開始から、このおっさん一杯飲んでるなというような喋りの松木。サッカー素人には受けがいいという話で、そういう解説者がいても良いと思うのだが、中山との落差が大きすぎて聞いていて赤面するレベルで淋しい、、、。

センターバックに槇野と吉田。

その昔、このふたりが19歳だった頃に将来の日本のセンターバックはこのふたりだといちはしサッカー日誌に書いた記録があるのだが、お調子者槇野が攻撃参加をしたいからとかなんとかでセンターバックをやらなかった結果、ここに来てようやく実現。

この試合の槇野を見ていて思うのは、長いこと攻撃で良いところを見せたいと考えてサッカーやってきたからか、それとももともとそういうプレー振りだからドイツで使われず、それについて反省も何もなかったからなのか、センターバックとしてのボール扱いというものが身についていないと見受けられる。

事実、それに気づいた相手の選手に一回狙われたが、ギリギリファウルになって助かったというシーンがあったが、この相手でも槇野のボールの持ち方なら奪えると思われたくらいだから、もっと高いレベルであればカモになるだろう。

日本では体の大きさで通用するプレーでも、世界では通じないから早めに矯正しておくべきだが、国内でプレーしている限りは矯正されないままだろうから、この先が心配。

テレ朝のアナによれば、代表のラインコントロールしているのは僕ですと槇野が言っているのだそうで、その積極性は悪いことではないのだが、新参者の目立ちたがりが守備の中心にいて、あのボールさばきではネガティブな結果に結びつくというのが見えている。2次予選の早い段階で小さな失敗をして、早々に修正の機会が訪れることを祈りたい。

試合はイラクがモデルチェンジした日本に対応できないうちにゴールを続けて奪って、全体的にはショータイムの90分。
大事な公式戦の前のイージーなシミュレーションとしてのキリンカップの役目は果たしたと思えるが、長友の疲労が回復するのかどうかが心配。

こういうサッカーが日本の主流になるのはいいことではあるが、これでポゼッションサッカーが忘れられてしまえば、失われた10年ということになってしまう。

最近、サッカー関係者、あるいはサッカーマスコミ関係者と飲む機会が続くのだが、そこで思うのは売れる記事を書くものが生き残るわけで、つまりは読者受けのいい見出しをつけられる記事を書いたもの勝ち世界なのだなと、改めて感じさせられた。
要は読者は盛り上がるネタが欲しいんだろうなと、だから、こう書けば響くんでしょと、その結果、選手が15人ぐらいしかいないどこかの1回戦負けチームでもバルサのサッカーを目指すのが正しいというような流れが出来てしまう。

サッカーはそこにいる選手によってやれることが決まるスポーツなわけで、同時に相手のレベルが重要で、今日のイラクのような弱敵相手にできたことが少しレベルが上がった相手にもできるかどうか、あるいはもっともっとレベルが上がった相手にもできるかどうか、そこの見通しがあって、初めて長期的な戦いの中で目指すべき自分たちのサッカーが決まるのだと思う。

ただ、それだけのことだが、その場の結果や数字、さらには見出しをつけるものの煽りで勘違いするものが出てきてしまう現実は永遠に続くのだろうから致し方ない。

香川、相変わらず良くない。
振り向けるためのほんの小さなスペース、ドリブルできるかもしれないほんのわずかなコース、その彼を追い越して行く味方がいて、そこへのパスコースが前方に作られると彼の良さは活きるわけだが、そこのところはハリルホジッチのサッカーと一致しているので息を吹き返しても良さそうなものだ。

宇佐美もこの相手にこれではと思わせる出来。
ボールを持てばそれなりだが、なによりも隠れている時間帯が長いのが不満。
もっとボールを受けるためにウロついても構わないはずだ。

チーム全体的にはもっと高いプレスに曝された時にどうなるのかが不安になる内容。

交代選手では原口はミスが目立つ。
パス精度が悪いのは昔からで、ドイツに行っても改善されていないのは悲しい。

谷口はプレーリズムが遅く、期待外れ。
まずはペースダウンを考えているかのようなボールさばき。周りにもっと良い選手がいて、それに頼ってプレーしている日頃が見えている感じ。ハリルホジッチが彼に何を期待しているのか、それは見えなかった。

逆に山口は個人として良さを見せたが、その良さが裏目に出ることもあるところをチームとしてフォローできるのかどうか。
さらに、彼の場合はスローなつなぎからチームをスピードアップさせるスイッチを入れられないという課題があると感じるわけで、そこがどうなのか、今日はわからなかった。

槇野、吉田、酒井宏樹と並べて、アジアでなら相手によってはセットプレーでの優位を築けるかもしれないわけで、だとして、初戦は楽勝してもらわなければと思ってしまうのだが、期待したいところだ。