あるサイトの選手評価をネタに
試合終了後30分で、サッカーニュースサイトに選手の採点が出ているが、評価というものは見るものによってこんなに違うのかと驚いたが、それはそれで楽しめる。

香川6点。
パスとドリブルで相手の脅威になっていたという評価。
自分の目には微妙なパスミスが多く、受けた側がスローダウンを余儀なくさせられていた。まあ、他の選手もそうだったとはいえ、皮がに求められているプレーの精度を欠いていてパスの受け手としても出し手としてもブレーキになっていたように見えた。

遠藤5点。
膠着状態を打開することができなかったという評価。
彼がいなければ日本の攻撃はもっと単調でひどかっただろう。本田とともに中で相手守備陣にひずみを作っていたから外が活きていた。この遠藤のサッカーセンスが分からないひとにはサッカーの本質のひとつが分からないと考える。長谷部と並んでプレーする姿を見たかったし、この試合がチャンスだと考えていたのだがともに不調では仕方がない。

本田5点。
ボールロスト多く、タメをつくれず、だそうだ。
たしかに切れは足りなかったが、相手にとって厳しいところでボールを受けていて、守備のひずみを作っていたわけで彼と遠藤がいなければサイドでの叩き合いに終始して形にならなかっただろう。
スペースができたときに活きたパスを出せる山口と、スペースがないときにスペースが作り出せる本田や遠藤のパス交換とは本質的に評価の基準が違うはず。

大久保5点。
千載一遇のビッグチャンスをミス、で低評価。
たしかにあれは決定的で点数が低いのは納得。だが、一方で一番突破に貢献していたのは長友で次が内田と大久保。FWで仕掛けて相手を苦しめていたのは彼だけに見えた。香川が通らないクロスやバックパス、微妙にぶれる脚元へのパスで味方を苦しめていたのとはかなり違うのに可哀想な結末だ。

内田7点。
高評価だが、負け試合なのに点が高すぎるのでは…。
味方とのコンビがあえばアシスト2はあっただろう。ザッケローニが早くから大久保を代表に呼んでいたらと悔やまれる。
選手は機械じゃない。プレーをすり合わせるには時間がかかる。大久保の力をザックが分かっていたと言っても、まわりとのコンビが確立していなければ何もならないことがはっきりした。だから、コンビを組める憲剛を呼んで欲しかったわけだ。

長谷部8点。
ミトログルをベンチに追いやり、カツラニスを退場にしたということで高評価。
これも負け試合なのに高すぎるのではと思うが、最初にイエローをもらったところでプレーを切り替えた彼の頭の良さには敬服する。

吉田麻也5.5。
まずまずという評価だそうで、たしかにしっかりプレーしていた。だとしてこのサイトの平均点?

長友5.5。
単調なクロスばかりだったと低評価。
自分の考えではそれを単調に見せないようにするために中の受け手の動きの工夫が必要で、そこらは互いの経験のすり合わせと、あとは監督の仕事。
あれだけどっしりと構えている守備者を瞬間的に外からえぐれる選手は世界でも数少ないのに、どんだけやればまともな評価をもらえるのか。
ちなみにギリシャはクロスを上げさせても中で勝てると読んでいたからカットインはさせないようにしていたと見えるわけで、だからといって彼の突破の価値が落ちるわけではない。
内田のクロスにも長友のクロスにも誰もあわせられなかったわけで、それはこの面子での練習不足、試合経験の不足から起きる当然の結末で、これを単調のひとことで切り捨てられては選手はたまらない。

山口5.5。
安定していたがもっと前に顔を出して欲しいという評価。
そこはたしかにと思うが、相方とのバランスの問題もあるだろうし、前目でもっとボールが収まればいけただろうし、あるいは両サイドが高く出ていたりと、色々あるのを分かっているのかどうか。前に出るのもセレッソで見せる彼の長所だが、インターセプト即縦への深いつけというのが彼の最大の持ち味。
現地で見ていての評価ならばそうかもしれないが、そこまでひとりの選手に要求されてもと思うし、現地で見ていないのであれば余計なお世話だ。

岡崎5点。
ペナの中で勝負する機会が少なかったと評価。
それがドリブル勝負ということだったら、そんなタイプの選手ではないわけで、それ以外だと何?
点であわせられるかどうかだが、それはクロスや縦パスをあわせてくる側の状況にも寄るわけで、そこらはあまりテレビでは分からない。

今野5点。
不用意なパスでピンチを招くこともという低評価。
たしかにそう言えば言える。しかし、前の試合ではそこで森重がロングを蹴っていたから自分たちのサッカーができなかったのではないか?
本来のチームコンセプトにあったプレーをしていたわけで、そのなかでサッカーというスポーツはミスをなくすのが不可能だと知っていればもう少し違った見方もできるはず。
こうやって、マスコミは勝っていれば提灯記事、負ければ減点法で叩くだけ。そのなかで取材で密な選手には見え見えで甘い(あとで選手の単行本などを書かせてもらうのが記者がライターとして成功するひとつの道)という現状が変わらなければどうにもならない。

まあ、この評者はコートジボワール戦のあとに、相手に対応してサッカーをやらないで自分たちのサッカーとかなんとか言って夢を見ているから負けたと書いているわけで、このひとなりに今野のプレーへの批判は筋が通っている。
では、コートジボワール戦のあとで森重を、ことにあのロングをどう見ているのかと思ってリンクを辿ったのだが、コートジボワール戦の採点は他のものがやっていて、この評者が書いているのは本田は良かったけれどというような語り物。このサイトの編集長らしいから全試合の採点を一貫した基準で書いて欲しかったと感じるわけで、少し残念。

川島6点。
何本かのビッグセーブに対する評価には同意。