前回、林哲司は日本歌謡においてアイドル路線を牽引した功労者であるといったが。「シティポップ」と呼ばれる1980年前半に景気が良くなった時代に車を持ち都会の生活に憧れをもつ、そんな若者が好んで聴いたおしゃれで聴き心地の良い音楽(シティポップ)のジャンルでも大活躍であった。そもそもシティポップの始まりはハッピーエンドからだと言う説があり同意するが、僕の始まりは大瀧詠一・山下達郎からだった。その広がりから山本達彦・佐野元春・杉真理・阿部恭弘・南佳孝などを聴きまくることになる。もちろん林哲司も知ることになるが、特に魅了されたのは彼が他の人に提供する曲が多かったのも事実である。

そこで今回は、シティポップを代表する女性ヴォーカリスト陣への提供曲を紹介。

先ずは杏里

「悲しみがとまらない」

デビュー後、歌唱力は評価されたものの数年間はセールスは伸び悩むこととなる。そんな彼女のイメージ作りに一役買ったのは角松敏生(彼もシティポップの牽引者)であろう。

2人の出会いは、角松は杏里をプロデュースすることで杏里はプロデュースされることで

2人はシティポップの顔になる。


*楽曲の良さを堪能するため、秀逸のカヴァー曲も添えてグラサン

林哲司にお世話になった

男性ヴォーカリストと言えば

稲垣潤一もその1人である🧐

次に竹内まりや

「September」

作詞はなんと松本隆。

彼女と言えば、事務所の先輩という縁から彼女の面倒をよくみるようになり音楽の相性だけでなく、人生を寄り添うパートナーとなったのが山下達郎。きっかけは竹内がアン・ルイスに書いた『リンダ』のコーラスに達郎が参加した時の音楽に対する真摯な姿勢に惹かれたらしい。

山下達郎は、音楽性の幅が広く多面性がありシティポップはあくまでもその一面と捉える(佐野元春もしかり)が、シティポップにおける最強タッグが形成されたのも喜ばしい事実である。音楽におけるパートナーは大切で、佐野元春も伊藤銀次と出会って本当に良かった、そこで素敵な化学反応が起こった。

音楽史を語る上で、パートナーの存在は貴重で必然性があり不思議な巡り合わせがあることを感じる。





えっ、アクの強い歌声が売りの
エレファントカシマシの宮本浩次が
こんな爽やかに歌い上げるとは🫢

   

最後に大きく取り上げたいのは、時代を越えた不思議な巡り合わせ。

松原みき

「真夜中のドア~stay with me

今回この曲に再度出会うきっかけになったのは、国内ではなく海外からの再ブレイクだった。発売から40年経ったいま、世界的にチャートを駆け上がったのだ。この不思議な現象を生んだのが、インドネシアで世界的な人気を誇る女性ユーチューバーの「Rainych」。彼女がカヴァーしたYouTubeの動画が再ブレイクに火をつけたのだ。その動画を先ず先にお見せしたい🤩

インドネシアの人気ユーチューバーがアクション(情報発信)を起こして、原曲である松原みきヴァージョンが世界中に広まった逆輸入といった不思議な現象。インターネットは弊害もあるが、この現象には歓喜の声をあげざるおえない。





歌:松原みき

作詞:三浦徳子

作曲:林哲司

(To you…yes my love to you yes my love to you you…to you)

私は私 貴方は貴方と

昨夜言ってたそんな気もするわ

グレイのジャケットに見覚えがあるコーヒーのしみ

相変らずなのね ショーウィンドウに二人映れば


stay with me…真夜中のドアをたたき

帰らないでと泣いたあの季節が 今 目の前

stay with me…口ぐせを言いながら

二人の瞬間を抱いてまだ忘れず

大事にしていた


恋と愛とは違うものだよと

昨夜言われたそんな気もするわ

二度目の冬が来て離れていった貴方の心

ふり返ればいつもそこに貴方を感じていたの


stay with me…真夜中のドアをたたき

心に穴があいたあの季節が 今 目の前

stay with me…淋しさまぎらわして

置いたレコードの針同じメロディ繰り返していた……

stay with me…真夜中のドアをたたき

帰らないでと泣いたあの季節が 今 目の前

stay with me…口ぐせを言いながら

二人の瞬間を抱いてまだ忘れず 暖めてた



尚、作詞家三浦徳子(よしこ)が手掛けた作品には松田聖子の黄金期を形成した「裸足の季節・

青い珊瑚礁・風は秋色・チェリーブラッサム・夏の扉」、沢田研二「おまえがパラダイス・

渚のラブレター・ス・ト・リ・ッ・パ・ー・6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、郷ひろみ「お嫁サンバ」、吉川晃司「モニカ」、杏里「CATS EYE」、八神純子「みずいろの雨」

僕の好きな曲から選んでもまだまだ上げきれない、上げたらない。林哲司の楽曲同様、彼女のワークスもいつかブログに取り上げたい。