【The Elfin Knight ヴァージョンA 和訳】

 

 

The Elfin Knight Version A

~妖精の騎士・ヴァージョンA~


『The Wind hath blown my Plaid Away,
 or A Discourse betwixt a young [Wo]man
 and the Elphin Knight;』


『風が私のプレイドを吹き飛ばした、
 もしくは、若い人(女性)と

妖精の騎士とのある問答』


A broadside in black letter, 'printed, I suppose,'
says Pinkerton, 'about 1610,' bound up
with five other pieces at the end of a copy
of Blind Harry's' Wallace,' Edin.


ブラック・レターのブロードサイド。

ピンカートン曰く。

エディンバラにあった、
ブラインド・ハリーの「ウォレス伝」。

そのコピーの最後にあった、
他の5枚の印刷物に基づき。

このバラッドはおそらく、
1610年頃に印刷された
ものだろうとのこと。


1673, in the Pepysian Library.

1673年。
(英国ケンブリッジの)
 ペピシアン図書館にて。


***

 

 

Guitar: The Elfin Knight (Including lyrics and chords)

 


MY plaid awa, my plaid awa,
And ore the hill and far awa,
And far awa to Norrowa,
My plaid shall not be blown awa.


私のプレイドが飛ばされる。
プレイドが飛ばされる。

丘を越えて、
遠くへと。

遠く、
ノローワ(ノルウェー??)へと。

私のプレイドは、きっと。
飛ばされることはないわ。


1 The elphin knight sits on yon hill,
Ba, ba, ba, lilli ba
He blaws his horn both loud and shrill,
The wind hath blown my plaid awa


1. むこうの丘の上に、
妖精の騎士が座っている。

バ、バ、バ、リリ、バ

彼はその角笛を、
大きく、甲高く吹き鳴らす。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


2 He blowes it east, he blowes it west,
Ba, ba, ba, lilli ba
He blowes it where he lyketh best.
The wind hath blown my plaid awa


2. 西へ、東へと吹き鳴らし。

バ、バ、バ、リリ、バ

彼は思いのままに吹き鳴らし。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。
 

3 'I wish that horn were in my kist,
Ba, ba, ba, lilli ba
Yea, and the knight in my armes two.'
The wind hath blown my plaid awa


3. あの角笛を私の胸に。

バ、バ、バ、リリ、バ

そうよ。あの騎士を抱きしめたい。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


4 She had no sooner these words said,
Ba, ba, ba, lilli ba
When that the knight came to her bed.
The wind hath blown my plaid awa


4. 彼女がこの言葉を言うや否や。

バ、バ、バ、リリ、バ

騎士が彼女のベッドにやってきた。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


5 'Thou art over young a maid,' quoth he,
Ba, ba, ba, lilli ba
'Married with me thou il wouldst be.'
The wind hath blown my plaid awa


5. 「お嬢さん、まだ若すぎるよ」と、
彼は言う。

バ、バ、バ、リリ、バ

「結婚するには早すぎる」と。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


6 'I have a sister younger than I,
Ba, ba, ba, lilli ba
And she was married yesterday.
The wind hath blown my plaid awa


6. 私には妹がいるの。

バ、バ、バ、リリ、バ

妹は昨日、結婚したわ。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


7 'Married with me if thou wouldst be,
Ba, ba, ba, lilli ba
A courtesie thou must do to me.
The wind hath blown my plaid awa


7. もし、これが出来たら結婚しよう。

バ、バ、バ、リリ、バ

僕のために、あなたがしなくては
ならないことを。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


8 'For thou must shape a sark to me,
Ba, ba, ba, lilli ba
Without any cut or heme,' quoth he.
The wind hath blown my plaid awa


8. 僕に、シャツを1枚作って。

バ、バ、バ、リリ、バ

でも、切ったり、縫ったりは
しないでね。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


9 'Thou must shape it knife-and-sheerlesse,
Ba, ba, ba, lilli ba
And also sue it needle-threedlesse.'
The wind hath blown my plaid awa


9. ナイフを使ってはいけない。

透けるのもダメだ。

バ、バ、バ、リリ、バ

針も使わず、編みもせずに

そのシャツを作って。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


10 'If that piece of courtesie I do to thee,
Ba, ba, ba, lilli ba
Another thou must do to me.
The wind hath blown my plaid awa


10. 私がそれをやるのなら、

バ、バ、バ、リリ、バ

あなたには、私のために、
別のことをやってもらうわ。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


11 'I have an aiker of good ley-land,
Ba, ba, ba, lilli ba
Which lyeth low by yon sea-strand.
The wind hath blown my plaid awa


11. 私、よい牧草地を持ってるの。

バ、バ、バ、リリ、バ

あの海岸を超えた低地に。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


12 'For thou must eare it with thy horn,
Ba, ba, ba, lilli ba
So thou must sow it with thy corn.
The wind hath blown my plaid awa


12. その角笛で、そこを耕してきて。

バ、バ、バ、リリ、バ

そして、あなたの穀物を、
そこに蒔いてきてちょうだい。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


13 'And bigg a cart of stone and lyme,
Ba, ba, ba, lilli ba
Robin Redbreast he must trail it hame.
The wind hath blown my plaid awa


13. 石と石灰で
大きな荷車を作ったら、

バ、バ、バ、リリ、バ

それを赤い胸をした
コマドリに引いてもらって。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


14 'Thou must barn it in a mouse-holl,
Ba, ba, ba, lilli ba
And thrash it into thy shoes soll.
The wind hath blown my plaid awa


14. ネズミ穴の納屋に
それを入れて。

バ、バ、バ、リリ、バ

あなたの靴底で
たくさん打ってきて。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


15 'And thou must winnow it in thy looff,
Ba, ba, ba, lilli ba
And also seek it in thy glove.
The wind hath blown my plaid awa


15. それをあなたのてのひらで
ふるい分けて。

バ、バ、バ、リリ、バ

そしてそれを、
あなたの手袋の中に詰め込んでね。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


16 'For thou must bring it over the sea,
Ba, ba, ba, lilli ba
And thou must bring it dry home to me.
The wind hath blown my plaid awa


16. 海を越えてそれを運んだら。

バ、バ、バ、リリ、バ

絶対に濡らさないようにして

私の家に持ってきて。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


17 'When thou hast gotten thy turns well done,
Ba, ba, ba, lilli ba
Then come to me and get thy sark then.'
The wind hath blown my plaid awa


17. あなたの仕事を滞りなく終わらせたら。

バ、バ、バ、リリ、バ

その時は、私のところにシャツを
取りにきて。

風が、
私のプレイドを吹き飛ばした。


18 'I'l not quite my plaid for my life;
Ba, ba, ba, lilli ba
It haps my seven bairns and my wife.'
The wind shall not blow my plaid awa


18. これは、自分が生きるための
プレイドではないんだ。

バ、バ、バ、リリ、バ

これは、7人の子供達と妻のためのもの。

このプレイドを。
風に飛ばされるわけにはいかない。


19 'My maidenhead I'l then keep still,
Ba, ba, ba, lilli ba
Let the elphin knight do what he will.'
The wind's not blown my plaid awa


19. 私の純潔は、まだ守りつづけよう。

バ、バ、バ、リリ、バ

妖精の騎士には、
彼の好きなようにさせるわ。

風は、
私のプレイドを吹き飛ばさなかった。



*******


※翻訳メモ※


Blind Harry

The Wallace (poem)

ウィリアム・ウォレス


*******

 

 

なんとか自力で

訳してみました。

 

 

でも。

 

英語には英語にしか出せない

「雰囲気」があって。

 

それを日本語に変換すると。

 

いろいろと、

台無しになってしまうものが

たくさんある感じがしますね。

 

 

そういうのって。

 

「音の響き」

 

・・・に、何か関係があるような。

 

そんな気がします。

 

 

特に、

「詩」はそうですね。


そして「詩」というものは。

 

「頭」ではなく、

「心」に伝わる。

 

・・・みたいなおやすみ

 

目に見えない奥深いところで

様々なことを伝えてくるので。

 


ヘタに意訳するよりも、
あえて直訳。というか、

 

「意味不明」

 

・・・にしておいたほうが。

 

いいような気もするのですおやすみ


それにしてもこの詩は。


古い英語なのか。

 

スコットランド系の

訛りなのか?

よく分からない言葉が
たくさんあって。

すごく難しかったですショック

 

 

「awa」は、
「away」のことだと思います。


「Norrowa」って何?

 

・・・と思ったら。

それを「ノルウェー」と

訳しているものを見つけました。

 

多分。

「way」は「wa」になるんですね。

これも方言なのかな?うーん


あと。
すごい悩んだのが。

「lyme」

 

・・・という言葉でした。


これを調べると。

「ライム病」とばかり
出てくるのですが。

さすがに、

違うだろうと真顔


それで他の人の翻訳を

いろいろ見てみたら。


「糊」と訳している人や、
「石灰岩」と訳している人もいて。

 

 

「lyme」ではなく「lime」だと

「石灰」という意味もあるので。

 

もしかするとこれかな?うーん


こういう時。


ネイティヴの人に

聞きたい~~えーん


そうやって調べる中で、

「sea 'lyme' grass」で。

「ハマニンニク(テンキグサ)」

 

・・・という意味になることを

見つけました。
 

 




これは砂浜に生える、
海浜植物なのだそうで。

なんとなく。

この草で作った荷車が

頭に浮かんだりもしました。


だって。

「海」の話を

していましたから。


この、女の子ニコニコ

 

 

けれどもこの草は、

ヨーロッパには生えて

いないようで?うーん

 

 

なのでこのあたりの訳は、

ちょっとあやふやなのですが。

 

おそらく、

より大事なのは。

 

「リム(ン)」という「音」

 

・・・なのだろうと思います。

 

「韻」を踏むために。



それから、
14番のところ。

このサイトのヴァージョンAには、

'Thou must barn it in a mouse-hell,
And thrash it into thy shoes sell
.

・・・になっていて。

「ネズミ地獄」???滝汗

 

・・・と思ったのですが。

これは、

タイプミスのようでした。


正しくは、こっち


'Thou must barn it in a mouse-holl,
And thrash it into thy shoes soll
.


・・・が、正しいようなので。

・・・ということで、


「ネズミ穴」ウインク


*******

 

 

「plaidie」というのは、
おそらく「plaid」のことで。

この「プレイド」というのは
 

タータン柄(格子柄)に

織り上げた、

 

1枚の大きな布のこと

のようです。

 

本場のプレイドは多分、

ウールです。

 

 

 

 

 

 

 

 

プレイドを肩からかけて、

キルトを履いた、

 

スコットランドの

民族衣装。


『キャンディ・キャンディ』の、
「丘の上の王子様」を
思い出しましたニコニコ

 

 

それからこちらも。

 

 

 

 

海外ドラマ『アウトランダー』の

ジェイミー。

 

かっこいい目がハート

 

 

キルトやプレイドの

タータン柄というのは。

 

家。というか

「クラン」によって

決まっていて。

 

いわゆる「家紋」みたいな

ものだったのだとか。

 

 

*******


『妖精の騎士』の中では、

娘がひたすら、

 

「私のプレイドが風で

吹き飛ばされた」

 

・・・と繰り返していますが。

 

 

ここでの

「プレイド」というのは。

 

「貞節」

 

・・・のメタファーなのだと、

いつかどこかで読みました。

 

どこで読んだのかは、

忘れましたニコニコ

 

 

なのでこれは。

 

「私の理性は吹き飛んだ~」

 

・・・みたいな

感じなのでしょうねニコニコ

 

 

そしてチャイルドさんは、

こう言っています。

 

男性が乙女にシャツを

縫ってもらうことは、

 

彼女に愛を求める。

ということと同じことであって。

 

彼女がシャツを縫うことに

同意するのは、

 

求婚者を受け入れるのと

同じことである。

 

・・・とおやすみ

 

 

そしてこういった

 

「問答歌」

 

・・・というか、

 

機知を競い合う

「知恵比べ」

 

・・・のような歌や物語は、

ヨーロッパでは古くから

よく知られていたそうです。

 

 

*******

 

 

【スカボロー・フェア聴き比べ】

 

 

HeartSounds

 

「HeartSounds」と

調べてみると、

アメリカのパンク・グループ
ばっかり出てきます赤ちゃん泣き

結局。


この人達のことは、
よく分かりませんでした。


この『スカボロー・フェア』


すごく素敵です。

 

旋律は。


セシル・シャープが
見つけてきた旋律ですねおやすみ

ヨークシャーの、
ゴースランド村で。

 

 

HeartSounds 『Scarborough Fair』(1997)

 

 

 

グレゴリアン

 

 

グレゴリアン。

好きでした。

・・・というか、
エニグマ。が好きでした。

・・・というか。

フランク・ピーターソンの
音楽センスが好きでしたニコニコ

 

 

この歌は、

サラ・ブライトマン版と

アレンジがほほほぼ同じ。

 

ピーターソン版。ですね。

 

 

Gregorian 『Scarborough Fair』(2000)

 

 

 

【ちょっと横道】

 

グレゴリアンで思い出しました。

 

一緒に歌っているのは、

アメリア・ブライトマン。

 

サラ・ブライトマンの

妹です。

 

声質がそっくりですねにっこり

 

 

そしてこのビデオの景色は

アイルランドだそうです

 

ケルト。

 

やっぱり好き目がハート

 

 

Gregorian 『Moment of Peace』(2001)

 

 

 

さらに思い出したもの。

 

この歌も、

スカボロー・フェアと

似たような揉め事が、

裏で色々とありましたが。

 

好きでしたにっこり

 

 

Enigma『Return To Innocence』(1994)