【チャイルド・バラッド】

 


19世紀の後半に。

イングランドや

スコットランドに伝わる
古いバラッドを収集していた

フランシス・ジェームズ・チャイルド

 

・・・という人がいました。

 

 


Francis James Child

(1825ー1896)


彼は、

それらをまとめて、

The English and Scottish Popular Ballads

・・・という本を出版しました。

 

※長いタイトルなので、

「ESPB」と略されていることも

多いです。


通称。

『チャイルド・バラッド』です。

 

 

 

 

 

第1巻が出版されたのは、

1882年。

 

最後の第5巻は、

チャイルドの死の2年後の

1898年に出版されました。

 

 

また少し、

本から抜粋しておきます。


 

 

 

伝統歌の収集と出版を

行った人々は、

 

この人の前にも後にも

おおぜいいたが、

 

客観的なバラッドの

収集・分類において、

 

フランシス・ジェームズ・チャイルドほど

科学的な態度を貫き通し、

 

現代もなお

 

「使い勝手がいい」

 

コレクションをまとめあげた

学者はいない。

 

歌われているまま、

文字として残されていたままの

言葉で伝統歌を採録し、

 

歴史、分布、風俗、信仰などの

各側面から丹念に分析を

施した上で、

 

驚異的なコレクションとして

まとめあげたのが

チャイルドだった。

 

全五冊の中に収められた

バラッドは305曲。

 

そのそれぞれに、

多いものでは20を超える

ヴァリエーションの紹介と

分析がつけられており、

 

ヴァリエーションをも

1曲として数えたら、

 

優に二千曲に及ぶ

バラッドの集大成だ。

 

量もさることながら、

分析の緻密さに関しても、

このコレクションを

しのぐものは

 

現在に至るまで

編纂されていない。

 

 

(『バラッドの世界』より抜粋)

 

 

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全5巻からなる、この
「チャイルド・バラッド」の。

第1巻の2番目に

『妖精の騎士』は
収録されています。

 

 

少し話は逸れますが、

一説では。

チャイルド♯1のバラッド。

Riddles Wisely Expounded
 (謎々を賢く解く)

チャイルド♯4のバラッド

Lady Isabel and the Elf Knight
 (イザベルと妖精の騎士)

・・・は、

♯2である、
『妖精の騎士』のお話と、
関連性がある。というか。

一種のパラレルみたいに
なっている。

・・・みたいなお話も

ありました。

 

でも。

 

そのあたりの追及は、

今はやめておきますおやすみ

 

 

そして、

 

『妖精の騎士』のバラッド

ひとつをとっても。

そこには、

様々なヴァージョンが
あるようです。

 

 



『スカボロー・フェア』は、
この中でも。

ヴァージョンG」が
一番近いのでは?

・・・と言われているそうです。

 

 

見てみるとたしかに、

 

Parsley, sage,

 rosemary and thyme

 

・・・のリフレインが

入っているのは。

ヴァージョンGだけの

ようですねにっこり

 

 

このヴァージョンGのソースは。

 

「Gammer Gurton's Garland,
 p.3, ed. 1810」

 

・・・となっていて。

 

 

チャイルドは、

1810年に出版された、

 

Gammer Gurton's Garland

 

・・・に載っていたものを

採用したようです。

 

 

 

 

ちなみに、

 

「Garland」

(ガーランド)

 

・・・というのは、

 

「詩歌集」

 

・・・のことです。

 

こういった「歌本」は、

17世紀ごろから

時々発売されるように

なっていたようで。

 

そこには、

その時々に巷で流行っていた

バラッドやフォーク・ソングが

収録されていたようです。

 

 

文学古物収集家の

ジョセフ・リットソンが編集した

この本は。

 

1784年に初めて

チャップ・ブックとして

出版されました。

 

その後、版を重ねるごとに

多少の修正というか追加なども

入っていったようです。

 

 

副題に、

 

or, The Nursery Parnassus

 

・・・とありますが、これは。

 

「口伝えで子供たちに

歌われていた歌」

 

・・・のような意味です。

 

古くから伝わる

童謡。

 

・・・みたいな感じですにっこり

 

 

 


この中にある、

THE CAMBRICK SHIRT.

・・・という歌が。

 

チャイルド・バラッドの

『妖精の騎士』の

 

ヴァージョンGと

なっていますにっこり

 

 

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【スカボロー・フェア聴き比べ】

 

 

ナナ・ムスクーリ


取りこぼしていました。

こんな人もいたのですね。

クレタ島出身だそうです。

こちらはちょっと、

時代は遡って、
1969年リリースです。


この『スカボロー・フェア』も。

好きにっこり


Nana Mouskouri 『Scarborough fair 'Canticle'』(1969)

 

 

 

エドワード・ウッドワード

 

 

イギリス人。

 

この人も、

取りこぼしていました。

 

なんだか、

映画の主題歌っぽい

『スカボロー・フェア』だなぁ。

 

・・・と思ったらこの人は、

歌手であり俳優でもあるそうで。

 

なんと。

 

あの怖い映画。

 

『ウィッカーマン』に

出ていた人だと驚き

 

 

あの警官の人かな?

 

・・・と思って見てみたら。

 

ウィッカーマンの舞台は

スコットランドだったんだ。

 

・・・と気づき。

 

 

 

 

なんだかそこに。

 

見えない「繋がり」を

感じてしまった。

 

今日この頃ですおやすみ

 

 

Edward Woodward 『Scarborough Fair』(1970)

 

 

 

クイーンズライク


アメリカの。
プログレ・メタルバンド。


嫌いじゃない。

・・・というか。
結構、好き。


好きだけど。

これを聴いてると、
どうしても。

聖飢魔Ⅱの
デーモン小暮閣下が、
浮かんできてしまうニコニコ


ちょっと低めの、
メタル・ヴォイス。


Queensrÿche 『Scarborough Fair』(1990)

 

 

 

キングス・シンガーズ


イギリスの、
声楽グループだそうです。

後半。

・・・が、なんか、いいかも。


The Kings Singers 『Scarborough Fair』(1991)

 

 

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【ちょっと横道】

 

 

せっかく浮かんできたのでニコニコ

 

今更なんの説明もいらない

閣下です。

 

 

今は、

 

「陰の気」

 

・・・が強まってきていて、

 

深刻になりすぎる時代。

 

・・・とでもいうか。

 

すぐに、

 

ポリコレだ~とか、

コンプライアンスだ~とか、

悪魔崇拝だ~とか。

 

まるで。

 

中世の魔女狩りや

異端審問の頃と同じような

雰囲気の世の中ですが。

 

 

もう少し前の。

 

まだ明るかった時代は、

もっとユーモアがあって。

 

ジョークが通じて。

 

こういうものも楽しく、

受け入れられていましたねぇほっこり

 

 

聖飢魔II 『蝋人形の館』(1986)