『十戒の拝受と黄金の子牛礼拝』

コジモ・ロッセリ

(1481-1482年)

 

 

 

***2019年11月14日の日記***

 

 

公衆の面前で相手を

大声で怒鳴りつけたのは。

 

この時が二度目でした。

 

 

そしてこれまでの生涯で。

 

その二度しか。

 

そんな経験はありません。

 

 

一度目は、OL時代。

 

満員の終電の中で、

酔っぱらいのおじさんに

絡まれた時。

 

 

あれ以来のことです。

 

 

「神が生まれてくるわけ

ないでしょ!!」

 

 

・・・と。

 

私は大声で怒鳴っていました。

 

 

天帝の彼は。

 

私の突然の豹変ぶりに、

すごく驚いていました。

 

でも。

 

オドオドしながらも、

 

「え・・・?

 

う、、、

生まれてきているんだよ。

 

Lyricaさん、、、

知らなかったの?

 

えーーー。

知らなかったんだ」

 

 

・・・と、

余計な挑発までしてくるので。

 

火に油。でした。

 

 

 

「生まれない!!!!って言ったら、

生まれないの!!!プンプン

 

 

「えっと、だから。

いるんだって。

 

会わせようか?」

 

 

「生まれないって

言ってるでしょ!!!!ムキー

 

 

「ちょ、、、ちょっと、

話を聞いてくれますか?」

 

 

「うるさい!

絶対に生まれないから!!!物申す

 

 

天帝の彼みたいな人相手の時は。

 

冷静な「議論」になると。

 

「ああ言えばこう言う」

 

・・・で返してくるだろうと

思っていました。

 

だから私は。

 

「力押し」

 

・・・をしたのです不満

 

 

「そんなものは生まれない!!!」

 

・・・と。

 

それだけを

延々繰り返していたら。

 

そのうちに。

 

彼が折れました。

 

 

「あ、、、

はいはい、解りました。

 

今、Lyricaさんの

ハイアーセルフに訊きました。

 

Lyricaさんが言っていたのは、

そういうことだったんですね。

 

僕が勘違いしてました。

 

その『神』は、、、

 

はい。生まれないです」

 

 

・・・と彼は言いました。

 

 

*******

 

 

私は。

 

10代の時のあの体験で。

 

「すべてである私」

(Nothing but Everything)

 

・・・を観ました。

 

 

言葉にはできないそれを。

 

言葉で表現するほかない

この世界では。

 

しかたなくそれを。

 

「神」

 

・・・と呼んだりはしますが。

 

 

私にはその言葉ですら。

 

「惑わすもの」に

見えたりします真顔

 

 

そして

 

「あれ」は。

 

生まれもしなければ、

死にもしません。

 

 

イエスのような人を、

 

「神」とか「神の転生者」

と見なしたのは。

 

結局は人間です。

 

「神」がそうしたわけでは

ありません。

 

 

そしてあの、

 

「すべてである私」

 

・・・を、

 

たとえばユダヤ教では

便宜上、

 

「YHVH」

 

・・・と呼んだりもしますが。

 

そういう名前の誰かが。

 

天にいるわけでは

ないのです。

 

 

イエスですら、

「あれ」の一部でしかない。

 

・・・のです。

 

 

そういう意味では。

 

イエスと私達には。

 

何の違いもありません。

 

 

天帝の彼の言う

 

「神」

 

・・・というのは。

 

そこに、

イエスのような「対象物」。

 

つまり。

 

「偶像」を

見ているにすぎません。

 

 

だから。

 

そんなことを言われると

私は。

 

金の仔牛像を崇める

人たちにブチ切れた、

 

モーセと同じような

気持ちになるのですぐすん

 

 

そこを「神」と

見なしているうちは。

 

人は本当には救われません。

 

 

けれども。

 

それでもいいのです。

 

もし人が。

 

それにすがることで、

心が少しでも安らぐのなら。

 

その段階では、

それでもいいのだと。

 

私は思っています。

 

 

けれども。

 

「天帝」

 

・・・を名乗る人は。

 

それをしたら

いけません。

 

 

それを名乗るのであれば。

 

神の実態を、

本当に理解していなければ。

 

他の人を、

惑わすだけです。

 

 

イエス次元の神を。

 

「神」だと信じている天帝。

 

 

どこが天帝なんだ?

 

・・・と思いましたが。

 

 

「そうよ。生まれないのよ」

 

 

・・・とだけ言って。

 

 

そのあとは、

何事もなかったかのように

しばらく普通に会話していました。

 

 

そして別れ際、

天帝の彼にこう言いました。

 

 

「どういう縁があったんだろうね?」

 

・・・と。

 

 

すると、天帝の彼は、

 

「そうですねぇ。

でも、縁が深そうですね」

 

・・・と言い。

 

握手を求めてきました。

 

 

握手すると、

 

「また、会いましょう」

 

・・・と、彼は言い、

私たちは笑顔で別れましたが。

 

その時私は。

 

彼とはもう二度と会わない。

 

・・・と決めていました。

 

 

*******

 

 

最初にミクシィの

彼のページを見に行った時。

 

そこにはたくさんの

女の子たちがいました。

 

そして彼は。

 

いかにも

スピリチュアル初心者っぽい

ディジュリドゥの彼女に。

 

いろいろ

語っていました。

 

 

ああいうのを見ていたら。

 

スピリチュアル的なものに

初めて触れる。

 

・・・みたいな人達にとって。

 

天帝の彼の話すような世界は、

とても魅力的に映って

しまうのだろうか。と。

 

 

なんというか。

 

とても、

不安な気持ちになりました。

 

 

たしかに天帝の彼は、

イケメンで背も高く。

 

見た目からして、

女の子にモテそうな感じでは

ありましたし。

 

どことなく、

カリスマ的な魅力も

あったような気がしますが。

 

けれども。

 

「スピリチュアル的なこと」

 

・・・を武器にして、

女の子に近づいていくというのは。

 

私にとっては、

受け入れがたいところであり。

 

 

その上彼は。

 

それを「意図的」に、

悪意を持ってやっているのではなく。

 

真面目にそう信じている上での

純粋な気持ちでやっている。

 

・・・というところが。

 

なんとも言い難く。

 

 

だから私があの時。

 

あんなに怒鳴ってしまったのは。

 

世の中、大丈夫なの??

 

・・・という不安な気持ちが

溢れてしまったからで。

 

 

その不安を、

 

「天帝」と名乗る彼に。

 

ぶつけたのでしょう。

 

 

*******

 

 

「スピリチュアル・ブーム」

みたいなものが

日本に広がる中で。

 

続々と海外の。

 

特にアメリカから入って来る

今どきのスピリチュアルの情報は。

 

私達、日本人にとっては。

逆に、毒になったりしないのだろうか。

 

・・・と。

 

 

彼を見ていて、

そう思いました。

 

 

 

日本人のその根底には

ナチュラルな信仰心はあっても。

 

特に現代では、

宗教の教義や哲学を真面目に学ぶ。

 

・・・というような習慣は、

一般的には薄かったと思います。

 

特に、戦後は。

 

 

伝統的な教義に

ハマればハマるほど、

 

どんどん、

縛られていくものはあるけれども。

 

 

一度そこに縛られる経験が

あったうえでなら、

 

そこから解放されるための

ニューエイジの教えは。

 

 

ある意味、

価値があるのだろうと思います。

 

 

でも。

 

あまり人生経験もないうちに。

なんの「基礎」もないうちに。

 

いきなり今どきの

ニューエイジの教えを知ることは。

 

本当に、大丈夫なのだろうか?

 

・・・と。

 

天帝の彼を見ていて、

すごく思いました。

 

 

ただ不思議だったのは。

 

天帝の彼の語るスピリチュアルは、

私にとっては薄っぺらい感じのする

話ばかりでしたが。

 

でもその「知識」だけを取ってみれば、

それは相当なもので。

 

そして。

 

人としてはまだまだ子供に見えた彼が、

どうしてあそこまで自信を持って、

堂々とそれを語れるのだろう。

 

・・・と。

 

 

やはり背後に。

 

「教祖」のような人がいたのか。

 

それとも。

 

取り巻きの多さに、

勘違いしてしまったのか。

 

 

彼が言っていた、

 

「神が今、この世に転生してきている」

 

・・・という考え方も。

 

 

結局は、伝統的な宗教の思想に

囚われた考え方であって。

 

 

長い時を経て、

そういう概念は。

 

私たちの深層心理に

染みこんでいて。

 

 

「目覚めの時代」とか

「解放の時代」とか言いながら。

 

今でもほとんどの人が、

無意識にそれに。

 

囚われています。

 

 

天帝の彼が、

自分自身のそういう囚われに

気づくことなく。

 

このままずっと、

「自分は天帝」だと信じ込んで

この一生を過ごしたとしたら。

 

 

それはきっと、今のこの、

 

「ニューエイジの教え」

 

・・・のせいだ。と。

 

 

そう思いました。

 

 

天帝でも、

宇宙からの転生者でも、

ただの人でも。

 

結局はみんな同じです。

 

 

「すべてである私」の見る

夢の中の「登場人物」

 

 

・・・に過ぎません。

 

 

それを本当に

理解していないのなら。

 

 

いくら宇宙人であっても。

たとえ、「神」であっても。

 

結局。

 

何も解っていないことに

なります。

 

 

*******

 

 

天帝の彼に会ったあの日。

 

家に帰ってから、

夫に言いました。

 

 

「天帝君がね、

 

パパのハイアーセルフが、

私にもっと家事をしてほしいって

言ってるって。

 

そう言ってたよ」

 

・・・とニコニコ

 

 

ハイアーセルフって何?

という夫に、

 

魂みたいなもの。

と答えたら。

 

夫は、こう言いました。

 

 

「マジかよ~~

 

俺のハイアーセルフの

望みって。

 

そんなにちっちゃいこと

だったのか~~ゲラゲラ

 

 

・・・と笑っていましたにやり

 

 

つづく

 

 

*******

 

 

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